たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

「銀の匙」(8)感想

「何故、私は使うあても無い特典の為に限定版を購入してしまったんだ!?」
真理の声「それはお前がオタクだからだ」
(以下ネタバレ)
学校に来なくなった駒場を心配する八軒達だったが、思わぬ人物の口から駒場の実家の牧場が離農――事実上の倒産――する事になり駒場自身も学校を辞める事を知らされる。
今まで、目の前の問題に苦しみ足掻きながら真剣に向き合ってきた八軒だったが、駒場牧場の件は最早一介の高校生にどうこう出来る問題ではなく、ただ事実をありのままに受け止めるしかないという現実にやるせない思いを隠しきれない。他の仲間達も、自分の実家が置かれている状況に改めて向き合う機会となった。
そんな中、一人駒場の置かれた状況を知っていた御影。彼女は、周囲――特に困っている仲間を放っておけない八軒――には知られまいと、一人でその事実を抱え込んでいた。そして、駒場の状況が周知の事実となった後でも、一人で抱え込むことを続けようとしていた――そんな彼女に、八軒は……。
いやーもう、八軒がイケメンすぎてそりゃあ御影ちゃんも無自覚だった彼に対する好意が思わず口から出かけてしまいますわ!w
もちろん、八軒も至らぬところは多々あって、これからも沢山間違える事でしょうが、少なくとも御影ちゃんに対して間接的な告白とも言える宣言を真正面からやってのけた所は素晴らしい。
駒場に対する態度も、腫れ物に触るような扱いじゃなくて、きちんと伝えたい気持ちがあれば素直にそれを伝えるという姿勢があって、どこか顔色を伺っていた初期の彼とはもう別人だな、と。
ただ、彼がそういった自分自身の意志を行動で示せるようになったきっかけを作ってくれた人間の一人である駒場が、今回こんな事で蝦夷農を去らなくてはいけなくなって、いくら御影ちゃんと実質的な両想いになったからと言っても、八軒の心には「抜けない棘」が確かに残ってしまったわけで。その事が後々大きな傷にならなければよいのですが……。