たこわさ

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ROBOTICS;NOTES #19「夢なんて、持たなければよかった」感想

原作未プレイ。
(以下ネタバレ)
予想以上の超展開だったものの、既に本作では細かい考証を気にするのは視聴の妨げにしかならないと覚悟完了しているので純粋に楽しめました。
前回、あき穂への受け答えにやけに間があったのは、本物のみさ希は種子島へ向かっていて万博会場のあれはARによる幻だったからタイムラグがあった、という事なのか。色々ツッコミどころはありそうだけれども、あのみさ希がARだと分るまでの間「世界線どころか違うゲーム世界に移動したwww」とか爆笑しながらロボみさ希の超絶アクションを楽しめてしまったのでGJ! と言っておくw
さて、万博会場での「テロ」が契機だったかのように地球を大規模な太陽嵐が襲い、各所の都市機能が麻痺しマスコミはこぞって災害の大きさを報道しているが、海翔の目の前に広がる万博会場は半壊しているもののマスコミやネット上の情報ほど大きな被害は出ていない。しかも、流出したガンヴァレル最終話に登場した巨大なオベリスク――軌道エレベーターが突如出現し……。
戸惑いを隠せない海翔に澤田が語る数々の真実。今起こっている現実と情報の齟齬はプロパガンダの一環であること、突如表れたオベリスクや銃弾をすり抜け煙のように消えうせて見せたみさ希は人間の視覚情報(と偽みさ希の件から察するに多分聴覚)を偽装する技術の賜物であること、そして一連の事件の計画者にして実行者が、レポートを使ってあたかも自分が陰謀を止める側の人間であるかのように錯覚させ実は裏で全て糸を引いていた人間――君島コウであるということ。海翔とあき穂が遭遇した「あねもね号事件」も君島コウによる人体実験であったこと……。
あらかたの事実を知った海翔は「本物の」みさ希を止める為に種子島へ戻る事をあき穂に提案するが、目の前で姉の姿をした何者かにロボット万博を滅茶苦茶にされ、努力の結晶であるガンつく2を破壊されてしまったあき穂はすっかり気力を失ってしまっており――。

夢なんて、持たなければよかった

どんな逆境にあってもあくまで前へ進む事を止めなかったあき穂。それが今、完全に心折れようとしている様に、いつもの遠まわしな励ましではなく、本気で本音な叫びをぶつける海翔――多分、彼が本当の意味で自分の意地を通す為だけに、誰かに意見をぶつけたシーンってこれが初めてなんじゃなかろうか? その後のシーンで、どんな時でも十全の実力を発揮していたキルバラで大敗を喫していることからも、彼がどれだけ悔しさに心震わせているか分ろうというもの。それでも、「正直、失望した」という捨て台詞を残す所がいつもの彼らしい、遠まわしなあき穂への発破のようにも思えましたが。
あき穂の立ち直りについては、彼女本来の空元気をフルに発揮した、というよりは、今の自分が海翔をはじめ色々人に支えられてここにいるのだ、という事を思い出したからかもしれません。
――あと、非常にどうでもいいことなんですが、涙で目を赤くしたあき穂がその……凄く可愛くてあの……追わず興ふn(以下自粛
閑話休題
種子島へ戻る事を決意したものの、混乱で空港は封鎖されているはずで、一体どうするのかと思っていたらまさか綯さんがテロを予見して足を用意していてくれたとは……何者だよアンタ(その答えはすぐ出ましたが)。それをまともに受け止めていた先生も凄いw
一方、その頃種子島では、みさ希率いる特殊部隊がJAXAのロケット奪取に動いていた。自分の父親を気にするでもなく淡々と事を進めるみさ希が怖い……。そして彼等の魔の手はガンヴァレルの真実に辿り着こうとしていたフラウにも伸びて――ってぇ、綯さん強カッコイイ!!
いやいや、あからさまに怪しいポジションだったのでミスリードを誘っているんだろうな、とは思っていましたが、まさか澤田の同志でガチに味方側だったとは。まあ、「STEINS;GATE」では比較的不幸な未来しか示唆されなかった彼女だけに、「世界の危機」を止める側で活躍している事は喜ばしいんですがね。流石にビックリしました。
――しかし、フラウが特殊部隊に拘束される件……これは薄い本が出るな!(ぉ
フラウが綯によって救われた一方、綯の準備してくれた飛行機に乗り込もうとした海翔達の前に思わぬ敵の姿が。愛理のモデルとなった少女、「本物の」愛理。明らかに何者かに操られていると思しき彼女が、飛行機の行く手を塞ぐ「人間の壁」となり立ちはだかる。しかも、その手には鈍く光る拳銃が。
AIの愛理でも本物の愛理でもない人格に違和感を覚える海翔だったが、その問いの答えは居る夫のカメラ越しにあった。現実の愛理の傍らに立つ優男――それは死んだ筈の君島コウだった……。
最後に来てホラー展開、というわけではなく、やはり君島コウは純粋な同情心から愛理をコールドスリープさせていたわけではなく、人格のネットワークへの移植及び他人の脳へのダウンロードの実験に使っていたようで。ゲジ姉はネットワーク上で「人格」を維持する為の実験プログラムだったのか、それとも実は全ての受け答えは君島が行っていたとか……。
あ、その発想の方がホラーだな(ぉ
「記憶のデータ化」については「STEINS;GATE」の時代に既に確立されていたわけだけれども、まさか人格のネットワークへの移植だなんてコテコテの事をやらかすとは。まあ、でも今までの都合のいいロボット暴走だとか「かごめかごめ」の鳴るタイミングだとかを考慮すれば簡単に辿り着く答えでもあったわけか。

追記

綯のコードネームが「Sブラウン」だって事は、この世界線での綯はオカリンに一定以上の親しみを持っているようで……いろいろ安心した。