たこわさ

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BTOOOM! 第12話「絆」感想

原作知識は連載初期で止まっています。
(以下ネタバレ)
殺人ゲームを強いられる事へのストレス、取り返しのつかない負傷、衰弱状態で一人サカモト達の帰りを待たなければならない恐怖、そして家族への愛――それらの感情がない交ぜになった平は遂に壊れてしまい、チップを奪おうとサカモトとヒミコに襲い掛かるが……。
「まともな人間」ほどこの殺人ゲームの中では平静でいられない。サカモトのこの言葉が全てを表していると思います。平は仕事上ではスレスレの危ない橋を渡ってきたようですが、人間としてみれば家族を愛する普通の――むしろ人情に厚い――中年男性です。今までの行動から見えてくる平という人間は間違いなく「善人」の部類に入るでしょう。
だからこそ、この島ではまともではいられない。自分を保つには壊れるしかない。それを理解しているからこそ、サカモトは自分を殺そうとしている平を逆に救いたいと願い、心からの叫びをぶつけたのでしょう。
そして、そんなサカモトの真実の叫びが心に届いたからこそ、平は自ら命を絶つ道を選んだのでしょうね……。何とも悲しく、やりきれない結末です。いまだかつてデブのおっちゃんがこんな素晴らしい悲劇的ヒロインを演じてくれる作品があったでしょうか?w
もちろん、本来の意味でのヒロイン・ヒミコも当初とは比べ物にならないヒロイン振りを見せ付けてくれました。負傷したサカモトを救おうと敢然と立ち向かう姿は、「自己犠牲」ではなく「共に生き延びる」という強い意志に溢れていて……。
平を失いながらも、サカモトとヒミコが真の意味でパートナーとなり、また島外から微力ながらもサカモトを救おうとする人もいることが判明するなど、盛り上がってキタ――(゚∀゚)――!! という所ですが残念ながら今回が最終回。原作のストックも殆どないはずのなので、続編があるとしてもOVAとかですかね……。「神様ドォルズ」並に不完全燃焼なんだろ? そうなんだろう? 状態。