氷菓 #15「十文字事件」感想

原作は「氷菓」「愚者のエンドロール」まで読了。
（以下ネタバレ）
先般より姿を見せていた盗難事件が遂に一つに繋がった。あいうえお順に沿って行われる犯行。犯人の署名「十文字」から察するに、最後に被害者となるのは古典部かはたまた工作部か……。
える達古典部の面々だけではなく、被害者となった壁新聞部、そして里志を何故かライバル視する谷も「十文字」について探り始め、事態は半ば「推理合戦」の様相を様相を呈し始めました。
そんな中、「自分で現場を押さえる」という強い意志を胸に動き出した里志。えるに出会ってからの奉太郎の活躍を間近で観てきた彼にとって、それは「とても楽しい事」であると同時に「とても悔しい事」でもあった。「きっと何者にもなれない」とばかりに道化を演じていた彼が、自分の意志で動き出したその結果やいかに？
一方、えるは入須から伝授された「お願い」の方法を試すも見事に玉砕。天然の彼女も流石に自分の失敗振りはこたえたようで、奉太郎がその疲れを心配するほど。
緊迫する話が続く中でも、摩耶花の奉太郎への微妙な気遣いだとか、奉太郎がえるの「お願い」を断れない理由を自覚していない事のおかしさに思わず笑みをこぼしてしまう件だとかは実に癒されるシーンでしたね。
ただ、その摩耶花も漫研では河内の取り巻きの部員たちのねちっこい精神攻撃に深く傷つけられた様子。が、肝心の河内にむしろ庇ってもらった事で何とも言えない感情の渦に彼女は沈み込んでいく……。更には、河内が「夕べには骸に」の作者の一人と友人関係にあった事が部長の口から語られるなど、こちらの状況も色々と入り組んできてしまったようです。
果たして、事態はどのように収束するのか？ まさしく「私、気になります！」といった按配。

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そういえば、終わりと思っていた「わらしべプロトコル」は摩耶花の手鏡を入手した事でまだまだ続くようですね。こちらの行方も気になる所。