「3月のライオン」(5)
(以下ネタバレ感想)
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2010/11/26
- メディア: コミック
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この絶妙のさじ加減をどのキャラクターのエピソードでも維持できるのは凄いなぁ、といつも関心。
しかし、またいつものようにこのテンションで進むのかと思いきや、ラストでまさかのひなちゃんのいじめられイベント発生。しかも、女子特有の陰険極まりないイジメ……*1。
零にとって「失ってしまったもの」を思い出させてくれる川本家の面々。その中でも、いつも一生懸命で前向きで、引っ込み思案な零にとっては恐らく暖かい日差しのような存在であるひなちゃんが陰惨なイジメに苦しめられている……。しかし、
後悔なんてしないっっ
しちゃダメだっ
だって
私のした事は ぜったい
まちがってなんか ない!!
ボロボロになりながらも搾り出したひなちゃん叫びに、「かみなりに撃たれた」ような衝撃を受ける零。
いつも一生懸命やってきた事が全て裏目に出て来た零。後悔する事は簡単だけれども、多分それは自分の存在全てを、やってきた事全てを否定する事。そんな想いを抱えた零に取って、ひなちゃんの叫びは、どれだけ救いになった事でしょうか。
今まで「受身」を主体にしてきた零が、「約束」という強い主張の言葉を発した。物語はここで大きな転換点を迎えるのかもしれません。
*1:小中学生女子のイジメの実例はマジで引くものが多くて怖い。しかし一方で、男子の場合だと金銭とかヤクザとか絡んでくる場合があるので別の意味で怖い。