- 作者: 竜騎士07,鈴羅木かりん
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2007/12/22
- メディア: コミック
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(以下原作含むネタバレ感想)
一連の漫画版ひぐらしの中で、一番絵柄が軽めな鈴羅木かりん氏ですが、実は一番魅せ方が上手いよな、と今回もうなってしまいました。「罪滅し編」の漫画はこの人以外描けないなぁ、と思うほどに。
この「罪滅し編」は、私的にはもっともカタルシスを感じるシナリオではないかと思っています。ほぼ純粋な解答編である「目明し編」や、解決に向かってキャラクター達が奮闘する話がメインの「皆殺し編」と違い、浮いては落ち浮いては落ちを繰り返す起伏の激しいシナリオに、狂っていくレナと目覚めていく圭一の鏡写しのような関係が、緊迫感あふれる雰囲気を作っている、と。ラスト付近は賛否両論分かれると思いますが。
で、今回漫画版第3巻は、いよいよその狂気を本格化させていくレナと、「ありえないはずの記憶」にたどり着き何があってもレナを救おうと決意する圭一の姿が描かれているわけですが、その周辺の描写が非常に秀逸。
レナの妄想世界の描写は見事なまでにグロテスクだし、圭一が思い出してしまった「殺人の記憶」の凄惨さ、そしてその中でのレナの最期の言葉「私を信じて」とあくまでもやさしげな笑み……。
あのレナの笑みは反則だな、と。
次巻で「罪滅し編」も完結ですが、ここまですばらしい漫画を見せてくれている鈴羅木氏が、あの色々な意味で難しいクライマックスを描くのか、今から期待してやみません。