たこわさ

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ライブドア・ショック

昨日書いた通り、この件に関しては過剰な反応をしないスタンスを取りたいと思いますが、私なりに現状のまとめと今後の予想でもでっちあげてみようかと。
現在、ライブドアが疑いをもたれているのは、関係会社による「既に実質上グループで買収済みだった企業を、さもこれから買収するかのように見せかけ、株価を不当操作し利益を得た」というものと、グループ企業の「粉飾決算」についてであります。これについては、これから明らかにされると思いますので、現状でのコメントは保留。
で、今回の家宅捜索でまるでマスコミ各社が用意していたかのように取り上げているのは、ライブドアの異常なまでの「株式分割」について。
株式分割」というのは、本来は発行株式数は増えるけれども既存の株主の保有価値に変化はなく、株の単価は下がるけれどもその分投資家の買いを期待できる、という非常に便利なもの*1。これ自体は法律的にも倫理的にも問題はないわけです。
が、ライブドアの場合は、「株式分割」自体の回数・規模がありえないくらいに多く、株式分割をした直後は株価が高騰しやすいという特性*2を利用して、株式の時価総額を吊り上げそれを株式交換による買収に利用していた節があるわけで。
つまりどういう事かというと、本来の企業価値とは関係ないところで高騰した株を利用して、自社の本来の体力をはるかに上回った規模の買収を成功させていた、という事で。私が以前ライブドアの事を「風船企業」と評したのはこのため。
それでこれからどうなるかの予想ですが、東京地検の捜査の具合によっては、ライブドアの株価は下がり同時にその資産も今までのような風船状態からごくごく「適正な」数値にまで下がり、そこいらに良くある中小多角経営企業程度の枠に収まってしまうのではないかと。実態のある「資産価値」を持たない企業は、堕ちる時は早いですからねぇ……。まあ、案外普通に持ち直す可能性もあるのですが。
しかし、マスコミのどこを見回してもライブドアの擁護論を見ないどころか、ラジオ辺りの識者が先のニッポン放送問題の恨みを晴らすかのような勢いで痛烈な堀江批判を繰り返しているのをみるに、ライブドア一番の失敗は、堀江が本来持つであろう人当たりの良さをマスコミに全然アピールしなかった事なんじゃないかな、とも思ったり。

*1:参考:http://markets.nikkei.co.jp/special/sp020.cfm?id=e1g1602316&date=20060116

*2:また株式分割によって株の単価は下がっているので買い注文が増えるが、数値上は増えている株数も株券がその数に追いつくまでにはタイムラグがあり、その間は売り注文が減少するため株価の高騰が起こりやすい(かなり要約)。