たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

フルメタル・パニック! つづくオン・マイ・オウン

つづくオン・マイ・オウン―フルメタル・パニック! (富士見ファンタジア文庫)
「平凡な日常」というやつは厄介な物で、酷く丈夫に見えるけれどもその実脆く儚く、そして一度壊れてしまったら二度と元には戻らない。
ドラゴンマガジン系の伝統にのっとって、長編はシリアスに短編は軽快に、と続けてきたこのシリーズにも、遂に転機が訪れたようです。
短編で培ってきた「予定調和の平和な世界」が崩壊する様を描いた本作は、下手をすると、ここ数ヶ月に私が読んだ本の中で一番面白かったかもしれない。もちろん、ジャンルは問わずに。
また、「あとがき」で作者が書いている事にも、激しく同意させられてしまいました。

最近の世の中では、こういう話の展開を「鬱展開」などと呼び習わす事もあるようですが、私はこの言葉、あまり好きではありません。シリアスなだけで、別に鬱なわけじゃないし。だいたいみんな諦めてないし。
物語の主人公が殻に閉じこもってなにも行動せず、ウジウジと悩んでいる展開が「深い話」みたいに言われるようになってしまってから、もうどれくらいたつでしょうか。もうすぐ10年ですかねー(遠い目。)

どっかの誰かさん達に聞かせてやりたいお言葉ですわ。