たこわさ

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響け!ユーフォニアム2 第四回「めざめるオーボエ」感想

響け!ユーフォニアム2 1巻 [Blu-ray]
今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

あすかから希美の復帰を認めない理由を明かされた久美子。「何かしなければ」と思いつつも何も出来ずに数日経った頃、みぞれの身にあすかや優子が危惧していた事態が起こってしまう。行き違いからこじれてしまったみぞれと希美を巡る騒動の行方は――。

感想

この作品の良いところは、久美子が要所要所でアクティブに動く事で問題解決の手助けこそすれ、独善的かつ万能的存在として自らが問題を解決する立場ではないところだと思う。最近では、比較的真面目なドラマ作品であっても主人公の万能性が強調されていて萎えるものが多いので、久美子のように「程よい主人公」はむしろ好ましく感じる。

みぞれと希美を巡る騒動は一応の決着。あすかの冷笑的な分析は久美子の言う通り穿ち過ぎではあったが、みぞれと希美、どちらかがもっと早期に動いていればここまでこじれる事はなかった問題だったのも確か。みぞれが優子という、慰めてくれる存在に依存してしまっていた……という見方は必ずしも的外れではない。希美は希美で、みぞれを過大評価し過ぎていたが故に、無意識に追い詰めてしまっていた訳でもあり。
善意や親愛、信頼が必ずしも良い結果をもたらす訳ではなく、互いを尊重するが故に現実から乖離した理想像をいつの間にか重ねてしまい、実像が目に入らない事は、リアルな世界でも少なからずある。きっかけは、あとになって思ってみれば実に些細な、他愛のない出来事、なのだろう。

みぞれの問題はこれで解決したが、今回のことでむしろあすかが抱える病巣がはっきりしてしまった感がある。彼女は決して他人の感情の機微を理解できないわけではなさそうなのに、何故あそこまで冷笑的な態度に徹せられるのか……。