たこわさ

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ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン 11「常怠vs不眠」感想

今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

感想

えらく久しぶりに感じる皇女殿下の出番。原作組の方のお話による「しばらく空気」という事で、アニメではもうまともな出番は望めないのかもしれない……が、私的にはまだ一縷の望みを抱いている(ので原作バレは勘弁願いたい)。
ナナク達シナーク族を助けるべきか見捨てるべきか、イクタが選択を迫られたシーンが実に秀逸。スーヤからは反発され、自分を慕っていた部下を多く失ったが、あの場はヤトリの判断通りシナーク部隊を救う方が戦略的には正解だったと言えるだろう。だから、イクタが逡巡した理由は実は戦術的・戦略的な理由よりも私情であったという方が近い。「部下を死なせたくない、カンナ達味方を見殺しにしてまで犠牲を出さなかった部下達を」「ナナクという自分と浅からぬ縁を持つ人間を救う為に、部隊を危険に晒していいのか?」こういった思いが、イクタの判断を鈍らせた。
敵将と自分を比べて思い悩む姿といい、ようやくイクタ・ソロークという人間の奥深さが分かってきた気がする。

そして、ヤトリという普段は人一倍情に厚い女性が、いざとなれば自分を殺しイクタさえも手にかけると言い放ったシーンは、イクタと彼女の根本的な違いを浮き彫りにしていた。人としてはもっとも親しい間柄である彼らが、立場としては実はもっとも遠い所にあるのかもしれない。