たこわさ

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「コードギアス亡国のアキト 第4章 憎しみの記憶から」感想

本シリーズに一貫して感じることは、シナリオがあらすじレベルでは面白いけれども脚本レベルでは何とも纏まりがなく散漫にして強引、という所なのですが、それは今回も健在でした。そして同じように、作画面での素晴らしさも健在。つまりはいつも通り、と言ったところか。
(以下ネタバレ)
アキト達が死んだ!→生きてました
レイラは死んだ!→まだ生きてます
ユキヤが死んだ!?→……あれ本当に死んだ?
と、何だか「実は生きていた」のオンパレードだったお蔭でユキヤも死亡フラグを跳ね除けてちゃっかり生きているんじゃないかと思ってしまう引きでした。ただ、次回予告がレイラが雪原で一人ボロボロの姿で佇み、その手にはアキトの髪(遺髪?)、その瞳には蒼いギアス、という不吉極まりない絵面だったので、もしかするとレイラ以外全員死亡なんて展開もありえるかもしれません……そんなもの誰も望んでいないと思いますが。
さて、冒頭で書いた通り、今回のストーリーもあらすじレベルでは面白いけれども、脚本レベルでは中々お粗末なものでした。スマイラス将軍に乗せられて大演説を披露し民衆の求める偶像となったレイラが、その直後にワイヴァン隊全滅の可能性を突きつけられて誰よりも早く心が折れてしまうという流れの強引さ。レイラの演説から殆ど時間を経ていないのに「レイラは死んだ!」という嘘を流布して民衆を扇動するスマイラス将軍の姿や民衆達の愚かすぎる様。捨石にされたとはいえあまりにも簡単にアキトに馴染んでしまったアシュレイの変わり身の早さ。シンの言動の異常性とその目的に恐怖していたはずなのにその後も忠誠心に欠片のためらいも見せないジャンetc...。
シンがただの破滅主義者だったのには脱力しましたが……あれはもしかすると彼のギアスの影響なのかもしれませんね。今までの描写を見るに、彼のギアスは「殺人を強制する」類のもののように見受けられますから*1、彼自身が殺人衝動なり破壊衝動なりに憑りつかれている可能性もあるかな、と。そう捉えれば彼が亡霊達の声に導かれ自害しそうになった事の理由にもなるのではないでしょうか?

今回の肝はアキトがシンのギアスによって植えつけられた殺人衝動を仲間達の呼びかけと自らの意志ではねのけ、最後にはレイラの「愛」によって完全にその呪縛から解放された件でしょうか。レイラはアキトが死んだ可能性を突きつけられただけで心が折れてしまう程に彼に依存していますが、アキトも同じだった、という事が証明されたわけですね。この点については第3章で既に描写されていましたが……やっぱりこの二人がお互いに意識し合ったきっかけは描かれないのね、と。第1章の時点から好感度MAXだった理由が。

さて、何やら「希望の未来へレッツゴー!」みたいな終わり方をするのかと思いきや、ユキヤが撃墜(?)されてしまい、ユーロブリタニアの大軍はいまだ城を包囲していて、おまけに本国からの援軍も期待できないという孤立無援の状態で「続く」となってしまった訳ですが……そこにきてあの不吉な次回予告ですから、どうにもこの物語がハッピーエンドに終わるとは思えず……。無駄に悲劇を演出するような終わり方にはしてほしくないと、切に願いつつ最終章を待ちたいと思います。

追記

そういえば、ちょとだけルルーシュとスザクが出ていましたが……あっさり監禁されてて流石に笑えませんでした。最早キャラ崩壊してるんじゃ? ルルーシュは別の意味で崩壊してましたがw

*1:他人を自害させるか、アリス達のようにお互いを殺し合わせるか。それともアキトのように殺人衝動に憑りつかれるか。そういった点から見るに。