たこわさ

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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 第10話「それぞれの、掌の中の灯が照らすものは。」感想

第一期視聴済み。原作既読ですが、基本アニメで描かれた部分のみの感想とし原作の話は補足程度に控えます。
(以下ネタバレ)

Aパートあらすじ

ディスティニーランドでの夜、いろはは意を決して葉山に告白したが見事に振られてしまう。帰り道、雪乃と結衣の気遣いもあり、八幡は落ち込むいろはに付き添う事に。八幡は、計算高いいろはが雰囲気に流されるように告白を決行してしまった事に疑問を覚えその理由を問うが、いろはの答えは意外なものだった。
「本物が欲しい」――奉仕部での八幡の絞り出すような言葉は、部室の外にいたいろはにもしっかり聞こえてしまっていた。いろはは、その八幡の言葉に触発されてしまったのだという。自分も「本物」が欲しい、と。葉山に振られても諦めない、勝負はここからだと必死に自分を奮い立たせるいろはに感心する八幡だったが、そんな彼に対していろはは「先輩のせいですからね、わたしがこうなったの。責任、とってくださいね」と悪戯めいた言葉を向ける。

肝心のクリスマスイベントの準備が遅々として進まない中、八幡は奉仕部部室に生徒会メンバーを招集する。問題は、意見をまとめはするが誰も「決定」をしないあの会議にあると指摘し、次の会議では反対も否定も対立もしきっちりと勝ち負けを付けるべきだ、と提案し生徒会メンバーの意志を確認する。副会長以下、生徒会メンバーは今更波風を立てる事に難色を示すが、いろはは八幡の案を実行すると宣言し、会長らしい振る舞いを見せる。

会議が始まると、いろはを筆頭に総武高校生徒会メンバーははっきりと意見を表明し、会議を具体的に進めようと奮闘する。しかし、相変わらず海浜総合高校側は中身の伴わない「意識高い系」発言でのらりくらりといろは達の意見を躱す。そんな彼らに対し、八幡と雪乃は言葉を選ばず徹底的に彼らの無責任さと無能力さを指摘し、場を静まり返らせる。その空白を利用して結衣が折衷案を示し、更には何にでも安易に同意していた折本を利用して海浜総合高校側に同意しやすい空気を与え、ようやく会議の方向性が定まった――。

Bパートあらすじ

年明け、八幡は雪乃と結衣、そして小町と一緒に初詣に来ていた。結衣とは二人で雪乃の誕生日プレゼントを買いにいく約束をし、雪乃は作り物ではない笑顔を向けてくれるなど、八幡と彼女達の関係は以前と同じかそれ以上に良好なものになっていた。
結衣との買い物は(同行していたはずの小町が途中で姿を消したものの)問題なく進んでいた。しかし、その途中で陽乃と葉山に出会った事で状況が変わっていく。家同士の付き合いのある二人は、両親と共に食事会に来ており、今は他所に挨拶回りに行っている親達を待っているのだという。この状況を面白く感じたのか、陽乃は八幡をダシにその場に雪乃を呼び出してしまい――。


感想

OPのラス前絵からいろはすが消えましたね。観ていて思わず「いろはすの霊圧が消えた!?」とかツイートしてしまいましたが、それはさておき。

今回はAパートとBパートではっきり話が分かれていたので、あらすじも二つに分けてまとめてみました。まあ、需要有るのか分からんですが(苦笑)。

全体的に作画が残念だったように感じました。キャラ作画は安定してないし、キャラクター間の身長差も何かおかしかったような。今期のキャラクターデザインは小奇麗というか、線がシュッとしているタイプなので、ちょっとした作画の乱れが気になってしまうんですよね。そういった意味では、第一期の味のあるキャラデザはちょっと乱れたぐらいではビクともしない感じでしたねw

さて、計算高く立ち回りの上手いはずのいろはが、何故まだ下地も十分でないあのタイミングで葉山に告白してしまったのか……その答えは八幡の「本物が欲しい」発言にありました。前々回の描写から彼女が八幡の「告白」を聞いてしまっていたであろうことは示唆されていましたが……いろはが八幡の言葉に触発されてしまったのって、彼の言葉がまぎれもない「本物」だったからなのではないかな、と思ってしまったり。もちろん、言葉なんてのは受け取り手側の感性でどうにでも意味が変わってしまうものなのですが、少なくともいろはは八幡の言葉にそれを感じたのではないかな、と。
「本物なんてものが在るのかどうか、在ったとしてそれが手に入るのかどうかは分からない。けれどもそれを欲しいと願う気持ち自体は本物」という事なのかもしれません。あれこれなんて衛宮士郎? などとFate/stay night[UBW]を観ていない方にはさっぱり分からない感慨を抱いてしまったり。

いろはの「責任、とってくださいね」は演技の勝利でしたね! あまりの艶っぽさにヒッキーと一緒にちょっと赤面してしまいましたよ。もし私の青春時代にいろはすのような娘がいたならば、きっと都合よく使い倒されていただろうな……などという妄想をしてしまう位に、あのシーンはお気に入りになりました。

意識高い系(笑)な海浜総合高校の面々が八幡に解体されて、雪乃に徹底的にすり潰されていく様は観ていて実に痛快でした。どちらもやや感傷的な文言がふんだんに含まれていて、ともすれば「こいつら何言ってるんだ?w」となりそうな所ですが、海浜総合高校の面々は決してバカではないし、多分本人達も薄々は自覚していた事をさくっと刺された、というのが実際の所でしょうね。雪乃も考えなしに八幡の真似をした訳ではないでしょうし。
そして、空気ブレイカーの二人に対し、空気を読む事には定評のあるガハマさんがナイスアシスト! 安易に「有り有り―」と連呼していた折本を利用して、海浜総合高校側に同調圧力を生み出すとは中々に策士。雪乃の振る舞いもそうですが、やはり今まで八幡に全てを頼り切って、それが原因で三人の関係が壊れかけた事が、二人に変化をもたらしているのかもしれません。

イベント本番のくだりは……カットされ過ぎててちょっと悲しかったですね。一応、原作からの補足をしておくと、川なんとか……もとい川崎さんがいたのは、子供達の中に彼女の妹がいたから、だとか。シスコン全開な川崎さんをもっと観てみたかった気がw
留美については……ありゃあ完全に堕ちてますぜ旦那!(?) 八幡の天然ジゴロ振りは小学生にまで及ぶのか……八幡、恐ろしい子! ああでも、何気に名前で呼んでもらう事に成功している留美の方が恐ろしい子かもしれないw

Bパートは……ヒッキーがごくごくナチュラルにガハマさんを買い物に誘っているくだりで度肝を抜かれました!(そこ?) でも結局途中までは小町が一緒だったので、この二人の関係は三歩進んで二歩下がる、という感じですね。まあ、そもそもゴール地点も定まってなさそうなので進んでいるのかどうかも微妙ですが。私的にはメガネガハマさんが可愛すぎて昇天しそうでした。でも原作にあったメガネヒッキーをカットしたのは下策だと思います。ああでも、今まで何故か控えめに描かれてきたガハマさんのガハマさん(隠語)が実にガハマさんだった(隠語)事で溜飲が下がった事も併せて表明しておきましょう!

雪ノ下姉妹の母親登場……のくだりはなんというか、気の毒極まりないですね。母親の雪乃に対する態度が、無視とか悪意とかそんなレベルでは無く……。咄嗟に八幡に助けを求める辺り、やっぱりゆきのんはヒッキーに依存してるよな、と。陽乃は多分そこまで見越して雪乃を呼び寄せたんでしょうね。「雪乃ちゃん、ダメだよ」は満を持しての台詞だった訳か。
何気にツボったのはうっかり葉山君でしょうか。雪乃の事をつい油断して「雪乃ちゃん」と呼んでしまったり、八幡の「どうにかできないの、これ?」という無言の視線に困った顔で返したり。ちなみに何故後者が「うっかり」なのかと言うとあの場に海老名さんが(略)。葉山の雪乃に対する想いも結構謎ですね。「君(八幡)を褒めるのは自分の為」という言葉を穿ってみれば、「雪乃に頼られる人間は凄い奴でいてもらわなければ、彼女の事を助けられなかった自分がみじめ」という意味にも取れますが……。

あと、印象的だったのは八幡と結衣が二人で買い物していた、と聞いた時の雪乃の表情。二人が自分をのけ者にして買い物してた事に対する反応なのか、それともそれは片方にしか当てはまらない感情なのか。

以前も書いたかもしれませんが、今期の俺ガイルは第一期や原作よりもゆきのんのヒロイン力が高めに描かれてるんですよね。八幡に対する表情とかもそうなんだけど、ガハマさんに対する八幡の反応がどこか淡泊*1に描かれていて相対的にそう感じるというか。未完ラノベ原作のアニメの中には、予定されている結末と齟齬が起きそうな原作の描写を微妙に修正したり無かったことにして辻褄を合わせているように見受けられるものが相当数あるので、もしかして本作もそういう意図があるのかしら? と勘繰ってしまいます。

私的には作品としてのヒロインは雪乃、恋愛的なヒロインは結衣、という印象を持っているので、早めに認識を修正しておいた方がいいのかも。

*1:原作だと多分赤面して照れているだろう、というシーンで何故か冷や汗をかいている、など。