たこわさ

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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 第12話「それでも彼と彼女と彼女の青春はまちがい続ける。」感想

原作未読。
(以下ネタバレ)
文化祭も無事終わりに近づいたが、終了のセレモニーを前にして実行委員長である相模の姿が見えなくなった。雪ノ下が機転を利かせ時間稼ぎをする一方で、比企谷は相模の行方を捜すべく動き出すが――。
雪ノ下は素直に人に頼ったり御礼を言ったり出来るようになった訳で、成長しましたね。思わず三浦がツンデレな返事をしてしまう程に(笑)。やはり、委員会のような組織をまとめる役割を担ったことで、彼女も処世術というか、自分自身を曲げずに場を収める術を身に着けつつあるのでしょうね。
ステージを由比ヶ浜と一緒に華やかに盛り上げるその姿には、以前の氷のような美少女の姿はどこにもなく……。
しかしその一方で、比企谷は「あくまでも自分のやり方を貫き通す」事を選びました。時間は掛かるにしても、あのまま葉山達が説得を続けていれば相模は仕事に戻ったかもしれませんが、*1それでは意味がない。結局、相模は周りに迷惑をかけるだけかけて、委員長としての職責もろくに全うできなかったという結果しか残らない――それはでは奉仕部への相模の依頼は達成されたことにならない。
比企谷が選んだのが、あくまでも自分が偽悪的な言動を行い絶対的な「悪」となる事で、「相模が職責を放棄した」という事実を「比企谷があれこれ嫌味を言って相模を追い詰めた」という方向へと印象操作して、結果として相模がスピーチに遅刻し内容もたどたどしかったとしても「比企谷のせい」と責任転嫁できるようお膳立てをする事だというのが……なんて、お人よし野郎なんでしょうか、といったところ。
一体どれだけの人が彼の意図に気付いてくれたのやら。由比ヶ浜、川崎、戸塚の三人は思わせぶりな視線を送りましたが、もしかすると気付いてないかもしれませんね。葉山は、どうでしょうね。彼が怒ったのが相模の為だけじゃなくて比企谷の意図にも気付いてのことだった、とも受け取れそうな雰囲気だっただけに微妙なラインか。
そんな状況だから、平塚先生の比企谷を労わる言葉が胸に染み……ついついホロリとしてしまいました。あの瞬間、比企谷の目がいつもの澱んだそれではなく、澄んだものとして描かれていたのが印象的。
そして雪ノ下も比企谷に対してさりげない思いやりを見せてくれましたね。やっぱりこの二人は「同志」というか「友達」というラインに落ち着きそうな感じですね。まあ、私は由比ヶ浜さん派らしいので、余計なバイアスが掛かっているかもしれませんがw

*1:ちなみに、原作では葉山達のやり方ではらちがあかないので、比企谷が強攻策に出た、というニュアンスだそうです。