たこわさ

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新世界より 第二十四話「新世界より」感想

原作はノータッチ。
(以下ネタバレ)
悪鬼の正体が「自分をバケネズミだと思い込んだただの人間」であると看破した早季は、奇狼丸と共に「彼女」を妥当すべく決死の作戦を敢行する。そして――。
奇狼丸将軍は最後まで漢でした……。早季の言葉を信じ、自らのコロニーを――最悪でも女王の命を――守るために死を約束された作戦を迷うことなく実行するその姿はまさしく益荒男と呼ぶにふさわしいもの。
一方の野狐丸――いや、スクィーラもその行動は許せないまでも彼を突き動かした魂からの叫び、「私達は人間だ!」を聞いてしまうと彼が一概に「悪」とは呼べない存在であったことが分かり、なんともやるせない気分になりました。もちろん、彼がバケネズミという種の誕生に隠された秘密――呪力を持たない被支配民が姿形さえも陵辱されたなれの果てが彼らであるという事実――に辿り着いていたわけではないでしょうが、それでも本能的に「偽りの神」に抗おうと戦うその姿は、人類から失われて久しい感情に由来するものだったであろう事を思うと……。
真実を知ってしまった早季と覚には、おそらくは孤独で密やかな戦いの日々が待っていたことでしょうが、10年後の二人の仲睦まじい姿からは、確かな幸せと希望の匂いを感じてやまず。たとえ彼女らの代で実現できなくても、子供達や孫、そしてそのまた子供達がきっと世界に満ちた欺瞞の影を振り払ってくれる事でしょう。
憎しみにとらわれず、また倫理委員会の一員となりながらも規則に縛られず、スクィーラをただの罪人ではなく昔馴染みとして苦しみから解放した早季の「強さ」こそが、本来あるべき人間としての「強さ」であり、きっとそれは子供達に受け継がれていくのでしょうから。

新世界より (上)

新世界より (上)

さて、原作買ってくるか……。