たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」(8)

※5/13ちょこっと追記しました。
(以下ネタバレ感想)

(追記)以下は最終12巻を読む前の感想です。12巻のあまりの不出来さに作品全体の面白さが台無しになってしまっています。少なくとも私は金輪際本シリーズと伏見ハゲつかさ氏の作品に関わりたいとは思いません。これから読もうという方はそこの所を覚悟の上どうぞ。



ツイッターでも書いたんですが、今回油断して普段なら絶対に見ないネタバレを目撃してしまって、発売日まで悶々とした日々を過ごしておりました……が、読了後にはそんな気持ちはどこへやら、非常に美味しゅうございました。
終盤の急展開については、出来ればネタバレ皆無状態で楽しみたかったものですが、まあそれもいい思い出です(?)
さて、今回がどんなお話だったかと言えば、京介的には自分や周囲の人々――特に黒猫と桐乃――の気持ちと向き合うお話であり、黒猫的には宣言通り「自らが求める理想の未来」を実現するために全力を尽くすお話であり、桐乃的には今までひたすらに隠していた本音を吐露するお話でありました。
桐乃の本音については、なんというか「いやぁ、近親相姦上等な展開にならなくて良かったー」とか変な安心をしてしまいましたわ。「妹にしか欲情しない変態さん」方には残念な本音だったかもしれませんがw ま、正直、BD/DVD第1巻の特典小説で「桐乃と京介は非常に良く似た心情」という事が示唆されていたので、当たり前と言えば当たり前の事だったんですが*1
で、まあ、黒猫の全力を尽くす姿がけなげ過ぎて胸が痛いレベルでしたわ。お前、どんだけ京介と桐乃の事が大好きなんだよ!? という感じで。まあ、久々に厨ニ病邪気眼全開なお姿には、京介以上に読者が引いた音が聞こえたような気がしましたがw
それでも、京介から告白への返事がなくて涙目になる所とか、必死に自分のよさをアピールしようとして自爆するところとか、京介と手を繋いで歩いただけで鼻血吹く所とか*2、本当に自分が欲する未来のためにあえて京介に別れを告げる所とか、予想外な所まで追いかけてきた桐乃に京介でさえ見た事がないくらいデレるとか、「まだ儀式は終わってない」とか言っちゃって京介の中の「呪い」を疼かせるとか、まさしく制作側の公言通り「黒猫無双」状態でしたね。
あと、京介が「目先の答え」を伝えようとした時に

その続きを口にしたら、私死ぬわよ

と言ったのは半分以上本気だったんでしょうなぁ。多分、黒猫なら京介がどう答えるか分かっていただろうし*3、「目先の答え」であっても「京介が自分を振った」という事実は作りたくなかったんでしょうね。まあ、万が一京介が「それでも好き」みたいな事を言ったら、別の意味で黒猫死にそうですが。
一方の京介は――正直、7巻までの時点で「京介が彼女出来て浮かれすぎて桐乃や周囲を悲しい思いにさせて黒猫が自ら身を引く」みたいな最悪パターンも予想の一つにあったんですが、蓋を開けてみればそんな心配は無用だった、というか。京介がその天性の鈍さを発揮し続けていればいずれは喰らうはずだったしっぺ返し。それを、黒猫がダメージがまだ小さいうちに発生させてくれた結果のヘタレだったというか。ヘタレた理由が黒猫がいなくなってしまった、ただそれだけの理由だった、というのも京介への好感度が下がらなかった理由かも。
てーか、あの終わり方については「見事」と「ずるい」の両方の感想を持ちましたね。麻奈実の言葉を真に受ければ「まだどの娘とのフラグも折れてないよ?」だし、「黒猫の描いた未来」よりも今の光景のほうが眩い、と評した京介の気持ちを察すれば、「あれ、実は黒猫の望みってもう叶ってるんじゃない?」とも取れ。
ありきたりなハーレム物みたいな終わり方じゃなくて、やはりきちんとした「決着」を持って物語を終えて欲しいな、と思う次第。*4

その他

  • 沙織さん出番アレだけ? にょろーん……。
  • あやせさん、あれ、思った以上にショックを受けて……?
  • 予想以上に計算高い麻奈実さんマジベルフェゴール
    • 計算高い、と言っても悪い意味じゃなくて「多分こういう結果になるだろうから」という心構えが出来ている、という意味で。
    • しかし本気で怒ったベルフェゴールさんも見てみたかった気がする。SAN値チェックが必要な類なのか、それとも見た方が「死んだ方がマシ」と思う位の罪悪感に見舞われる類なのか。
  • 御鏡レギュラー化か? 短編とか活躍できそうな潜在力は感じますね。
  • 「真壁君の女装」ネタは、「とある科学の超電磁砲」特典小説が元なんですよね。私は持ってるけど、そっちをフォローして無い人はイミフでしょうなぁ。
    • まあ、私の場合ゲーム版をやってないので、今回の元ネタで随分と分からない所があったようですが。
  • 「荒ぶる堕天聖のポーズ」に爆笑。TVアニメ版からの逆オマージュとはやりますなぁ。
  • 桐乃△
  • よく考えると、京介と黒猫の関係ってこれでようやく「普通」になったんですよね。「妹の友達」でも「可愛い後輩」でも「勇気を出して告白してくれた可愛い女の子」でもなく。黒猫が「京介」と呼ぶようになったのはそういう意味もあるんでしょうね。今まで散々「他人の為」に突っ走ってきた京介が、今度は「自分の為」に動きゃなきゃならない、というのが今後のミソか。
  • しかし、結局の所この作品で一番ラブラブなのは黒猫と桐乃なんですよね。京介氏涙目www

*1:ああいった短編を限定版のみで展開という商法は正直どうかと思いますがね。後から追った私のような人間だと一生お目にかかれない可能性もあるので。

*2:あれは間違いなく鼻血だと思うんですが他の解釈があればヨロ。

*3:気絶する間際の「ラスボスのような捨て台詞」にも端的に現れてますが

*4:――もちろん最終的に黒猫が振られたら黒猫厨の俺涙目www なんですがその時はその時。