ある所に、世の企業経営者から「経営学の神様」と呼ばれるほど優秀な経営学者がいた。
彼の経営理論は人々から絶賛され、様々な企業家・起業家に影響を与え成功に導いていった。
やがて、そんな「経営学の神様」が、自ら会社経営に乗り出す日がやってきた。彼の理論を実践して成功した人々は「彼ならば成功するに違いない」と信じて疑わなかった。
だが、結果は全くの反対。「経営学の神様」の会社経営は悉く失敗に終わり、そして彼は解任された。
――何故彼は失敗したのか？ その答えはこうだ。
『彼は分析し・理論を組み立てるプロではあったが、その理論を実行するプロではなかったのだ』
真理を説く者が、必ずしもその真理を体現できるわけではない、というお話。
