進撃の巨人 Season 3 第45話「オルブド区外壁」感想
今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
ヒストリアの裏切りによって追い込まれたロッドは、自ら巨人化の薬を体内に取り込み、巨人と化す。そのあまりの巨大さに、洞窟は崩壊を始める。
崩壊によって道が開けたことで、リヴァイ達はようやくエレンのもとへ。
だが、父親の犯した「罪」に打ちひしがれるエレンは前を向こうとせず、自分をおいて逃げろとまで言う。
仲間達は、そんなエレンにそれぞれの言葉を投げかけ――。
感想
この情けなさこそがエレンの真骨頂……と言ってしまうと身も蓋もないが、彼は本当に追い込まれた時でないとその真価を発揮できない、ある意味珍しいタイプの主人公である、というのが、本作を盛り上げる要素の一つなのは確かだろう。
即ち、彼の優柔不断や独断専行が決定的なピンチを招くが、覚醒したエレンが結局は自己解決するという。
悪意的な見方をすれば酷いマッチポンプだが、別の側面からみれば、エレンは短慮に見えてその実、絶対に外してはいけない場面では、常に勝利をもぎ取る選択をしている。
結果として犠牲を払いながらも、常に予想外の勝利を得ている意外性の塊、ということなのだろう。
だから、旧来的な自己犠牲のヒーローの役回りで言えば、むしろヒストリアの方が相応しい。
与えられた役割を全うしつつも自分自身を曲げない、常に前を向いて生きていくその姿勢は、さながら少年漫画の主人公だ。
今回はミカサの意外な一面も見られた。
以前はヒストリアに対して興味無さそうな顔をしていたが、実際には彼女の身を非常に案じていることが伺える。
彼女のこういう部分が物語のヒロインたるゆえんなのかも知れない。
さて、物語は巨人化したロッド・レイスを駆逐し、ヒストリアが女王となることで一定の区切りを迎えようとしているようだ。
いよいよ近付いてきた「地下室」に眠る真実。それを視聴者が眼にする時が……来るのは実はもう少し先立ったりする(苦笑)。
この辺りの展開を遅いと捉えるべきか、丁寧と捉えるべきか。
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