たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

神のみぞ知るセカイ 女神編 FLAG 2.0 「スクランブルフォーメーション」感想

原作既読。アニメ第一期・第二期・OVA視聴済み。
(以下ネタバレ)
旧・地獄の復活をもくろむ勢力に襲撃されたかのんと彼女に宿る女神・アポロ。ハクアとディアナの力を持ってしても解除できない暗殺魔術を施されてしまったかのんに残された時間はあと僅か。焦るエルシィ達に、桂馬は今後の方針を告げる――。
かのんが刺され、その身が呪いに蝕まれているのを目の当たりにした桂馬の焦りの表情と、「全力を持ってかのんを救う」という決意。この女神編では今までと違って桂馬に人間的な感情の触れ幅が要所要所に見て取れるのが特徴だと思います。
彼の葛藤が一番表れているのは「神ではなく鬼になる」という台詞。「落とし神」である彼の目的は女の子達の心の隙間を埋め結果的に幸せに導く事でしたが、今度は違う。候補こそ絞り込めましたが、女神が宿っている女の子達には「攻略」の記憶があり、それだけでも彼女達を現在進行形で傷付けている事になるのに、それに加えて今度は意図的に五股をかけなければいけない。
しかも、五人の内の一人は女神とは全く関係なく、「攻略」の記憶も無く桂馬の事が気になっている女の子。女神が宿っている女の子は「攻略」の記憶を持っており、また女神復活の為という建前の元に、桂馬に五股かけられていたというショックを少しは和らげられるかもしれないが、残る一人はただ巻き込まれただけの純真な少女でしかなく、彼女の心に深い傷を負わせるであろう事を既に桂馬は自覚している。
だからこその「鬼になる」という発言。
でも、桂馬は相手を傷つける事には気付いていても、自分が傷つくという事には気付いていないような節も見受けられ……。