クライマックスがやってきました。
(以下ネタバレ)
ナナリーを失ったルルーシュに追い討ちをかけるような、シュナイゼルの策略。シュナイゼルが知っている「事実」と、ブリタニアに都合が良い解釈を織り交ぜる事で、藤堂達にそれが「真実」なんだと錯覚させる。もちろん、朝比奈の死があるからといってコロッと騙される藤堂やディートハルトじゃありませんが、扇の裏切りが痛かった。
扇については、「結局オンナかよ!」とか思いもしましたが、ブリタニアのトップを前に一歩も引かずに「ゼロと引き換えに日本を返せ」と主張する姿は、ゼロを「裏切る」事が彼にとってかなりの苦渋の決断だった事を思わせます。
さて、黒の騎士団に銃口を向けられ、これがシュナイゼルの策であり逃げ場がないと察したゼロは仮面を外し、「彼らの望む残虐な魔王ゼロ」を演じきりました。カレンの命、そしておそらく黒の騎士団の「仲間」達を傷付けないために、彼は最後まで「嘘」を付きました。
そして、ロロの最期に当たっても彼は「嘘」を付きました。シャーリーを殺し、ナナリーの居場所を奪っていた憎むべき対象であるロロ。そのロロの最期に、彼が安らげるであろう嘘を。
思えば、ルルーシュの「嘘」は常に「誰かの事を護るため」のものだったように思えます。ゼロの正体を隠したのは、ナナリーを護るため。シャーリーにギアスという「嘘」を吐いたのは、彼女を護るため。ゼロという偽りの存在は、それを求める全ての人達を救うために。
しかしながら、結果的にそれらの嘘がルルーシュから全てを奪っていきました。
そして一方で、彼の「真実」を知る人間は、やはり何らかの理由で彼の元から消えていきました。唯一全てを共有するC.C.、全てを受け止めてくれたユーフェミア、ギアスに翻弄されそれでもルルーシュを愛してくれたシャーリー。
今回、残された「真実のルルーシュ」に一番近しい人間であるカレンを、彼は自ら遠ざけました。「嘘」によって。
そうして半ば自ら全てを捨てて、「孤独」を選んだルルーシュ。その決意のまなざしの先には、父であるブリタニア皇帝。物語の終わりを否応無く感じさせます。