たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

ギアス第8話のアレに対する反応に返答

既に今の状態が作者側の術中に嵌っているような気がするのは、たぶん気のせい。と言うことで例によって以下はコードギアスR2のネタバレが含まれます。
「神の宿る細部と宿らない細部/どこにリアリティを見出すか1」
http://d.hatena.ne.jp/north2015/20080529/1211998387
トラックバックを受けましたので簡単に返答をば。

どこで見たのか、ぼくではないとすれば言っていることがかなり近しいので是非教えていただけると助かります。ぼくであれば、どこかで、とつれないことを仰らずに(トラックバック先を経由して2クリックでたどり着ける程度なのだし、見つけられないわけはないと思うのですが)引用元は示した方が読者に親切であるような気はします、が、そのあたりは好き好きだから別に良いでしょう。どこを見ているのやら、には、トンチキな解釈をしているひとはこういう感じでお話を見ているのでした、ということで予め頼まれててもいないのに回答としておくことにします。

私がトラックバックを使用しない場合の理由としては、相手が名無しさんやそれに順ずる存在だった場合、たぶん日本語が通じないのでトラバしても生産的でないと予想される場合、トラバするまでもなく相手がここを見ることが分かっている場合、等があり、今回の場合は1番目の理由が適用されます。特定の誰かに対しての非難にしたくなかった、というのもありますが。
と言うことで、誤解させるような書き方をして申し訳ないですが、少なくとも貴方に向けた言葉ではない、という所をご理解いただけたらと思います*1
さて、折角トラックバックしていただいたので、いくつか反応みたいなものを。

ルルーシュは責任放棄したのか?

私の答えが「NO」であることは既に書いているので、テキストを引用させていただき、反証とまでは行きませんが私見をコメントさせていただきます。

そしてルルーシュも、本当にその引き起こすものを理解した上でスザクにその判断を迫ったのだろうか。その先に起こりうることをいくばくかでも理解したうえで、それでもスザクにその目標を捨てさせ、愛するナナリーもまた捨てたうえで「君こそ救えるのか」というあまりにも難しい約束の台詞を吐いてみせたのだろうか*4。

しかし残念ながら、ぼくにはスザクは順当に考えるなら(ルルーシュであればそのように追い込むことはできたはず、という話には一定の説得力を感じつつも)そのように簡単に信念を投げ出さないだろうと思えた。それは、体制側からブリタニア帝国を変えるというスザクの信念を根底から覆しうる。

そしてまたルルーシュについても、ナナリーのため、と思うなら(第7話を順当に引き継ぐなら)そこでナナリーの理想を完全に捨てるような結果を選ぶことはないだろう、と思えたし、そこでのんきにスザクに「救えるのか」と吐いている場合ではなかろうと思えた。

おそらく、ここら辺の解釈の違いが、肝なのだと思います。
今までのルルーシュならば、「ナナリーに傷一つつけない」方法を選んだ事でしょうが、ルルーシュは既にナナリーが自分の道を歩き始めている事を知っています。そしてゼロがナナリー一人の為だけの存在でない事を自覚しています。
また、元々「経済特区日本」では全ての「日本人」を救う事が出来ない、と言う事は明白な事実でした。ナナリーの理想を立てれば日本人が立たないわけです。それだけでなく、独立を求める人々との軋轢は酷くなるでしょうから、最悪ナナリーも「日本人」もむやみに危険にさらす可能性さえあります。
「肉を切らせて骨を断つ」ではありませんが、今回ルルーシュが用いた策は、「平等に傷ついてもらうが、平等に救う」ものだった、と私は解釈します。
ナナリーには、欠点を抱えた理想を捨ててもらう事でエリア11の平穏*2を、独立を求める日本人には、故郷を捨ててもらう事で新たな「日本人」としてのアイデンティティと可能性を、スザク達ブリタニアとの融和を望む「日本人」には古い日本人と決別してもらう事で新たな「日本人」としてのアイデンティティ*3
荒療治ですし、万人に茨の道を強いた事も事実。しかしながら、ルルーシュは何よりも彼ら全ての「意志」を救っている。私はそう思いました。
おそらく一番の苦行を強いられるスザクとナナリーにしても、スザクならばどんな逆境も跳ね除けナナリーを守ってくれるだろうしナナリーももう無力な少女ではない、というルルーシュの二人への信頼があればこそ、ルルーシュはこの計画を実行に移したのではないでしょうか?*4
今までナナリーこそ至上であったルルーシュが、窮極的には彼女の人格を立てることになったとしても、最愛の妹にある種の苦行を強いてまで「日本人」に道を開いた。これは、ゼロと言う存在を生み出したルルーシュが、その責任を果たした、という事にはなりませんでしょうかね?

とまあ、つらつらと書いてきましたが、本当にルルーシュが責任を取れるのかどうかは、今後の展開を見守るしかない、というのが本当の所なんでしょうが。

*1:結果的にそうなっているかどうかは別として、ですが。文章というものは受け取り手の解釈を否定しては成り立ちませんので。

*2:黒の騎士団がいなくなればエリア11は平和になる、というのはルルーシュの見込みですが。

*3:更に言うならば、独立派の「日本人」と決別した事で、ブリタニアの一員としての「意志」を明確に出来たわけで、

*4:これは少し言いすぎか