たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

岡田尊司『脳内汚染』への識者の意見

http://psychodoc.eek.jp/diary/?date=20060202#p02
↑「サイコドクターぶらり旅」の方で感想がアップされておりました。

 この本で語られているのは、ひとつは「映像メディアが人間の心理特性を変化させている」ということであり、もうひとつは「アルコールや麻薬のような物質だけではなく、映像メディアのような情報にも依存性がある」ということ。私としては、どっちもその通りだな、と思うし、「依存性があるから、幼いうちからの摂取には充分な注意が必要」という主張にも賛成する。
 ただ、ゲームを麻薬と同一視するような主張には賛成できないし、映像メディアによる人間心理の変容を「汚染」と見なして糾弾する著者に対して、私はそれは単なる「変化」であってそれ自体では善でも悪でもないと思うのだけど。
 確かに問題点も多い本なのでしょうがないかもしれないのだけど、ゲームを槍玉に挙げた部分の問題点だけをあげつらって、全体の主張までをもトンデモ扱いするのは間違いだと私は思うのですね。

なるほど、つまり過剰な演出や持論を正当化するための詐術はそこかしこに見られ、極論も多いけれども、全体を俯瞰してみれば「トンデモ」と評する程の事ではない、という事になりましょうか。
まあ、「娯楽も過ぎれば毒になる」というのは事実ですからねぇ。そこら辺は何となく分るような気がします。
しかしまあ、この手の本が何故問題なのかと言えば、「事実」と「虚偽」と「筆者の価値観」を同列に並べて綴っている為に、その方面の知識がない人にとって「事実」の部分が優れていればいるほど「虚偽」の部分も「筆者の価値観」の部分も同等の評価を有する結果になりやすい、という事なんですよね。