たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

結局漫画は画力?ストーリー?

http://blog.livedoor.jp/hitokata/archives/50153190.html
ゴルゴ31経由で拾ったネタ。
どちらか一方、という事はありえない。どちらもある程度の要件を満たしていないと。
分りやすい例で言えば、小畑健氏なんかは昔から画力に定評があったのに、ストーリーが独特すぎてマニアックなファンしか得られなかったのが、原作付きでコツコツと下積みをした結果、今やジャンプの看板漫画家の一人。漫画家から原作に転向して成功した真倉翔氏のようなケースもある。というか、原作付き・原作者転向で開花・成長した作家を挙げているときりが無いくらい。
結局漫画というのは、どこからが「画力」でどこまでが「ストーリー」なのか、明確な区別が出来ない文化だと思う。例えば、脚本だけを見れば退屈なストーリーも、演出(構図など)の次第によっては「スリリングな展開」に化けてしまう事だってあるし、画力に多少の難が有ってもむしろそれを逆手に取ったストーリー(ギャグとか)で名作の域まで昇華することも出来る。
というか、そもそも画力とかストーリーとかは漫画の本質ではなくただの一部分であって、本当に重要なのはその先にある「作家毎の個性」なんじゃなかろうか。画力とか構成力とか想像力とか、そういった単品のパーツだけ見ていても、その作家の魅力は分らないと思う。
例えばある「美人」のどこが美しいのかを分析したとして、目だとか顔の造詣だとか性格だとかが美しい、という結論に達したとする。じゃあ、目だとか顔の造詣だとか性格だとかが美しいければ必ず「美人」なのかと言えば、決してそうは限らない。
「どこそこが良い」と部分部分をクローズアップする事は決して不毛な事ではないけれども*1、最も肝心な「全体像」を度外視してそれらを語っても、大した意義など無いのではないかと。

*1:むしろ欠点や長所を認識する際には必要な作業だし