たこわさ

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銀河英雄伝説 Die Neue These 第11話「死線(前編)」感想

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今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

フォーク准将らの主導する無謀な作戦が遂に始まってしまった。
同盟軍は帝国領の奥深くまで侵攻。「解放」を謳い次々に各惑星を掌握していく。
しかし、それは全て帝国元帥ラインハルトの策略の内だった。

同盟軍の補給線は細く長く伸びた状態となっており、更に占領下に置いた各惑星では民達が食糧不足にあえいでいた。
当初は食料を供出していた同盟軍だが、民全てを十分に食わせるに及ぶわけもなく、あっという間に同盟軍の食料は底をつき始めてしまう。

この事態を想定していたヤンは、素早く撤退計画を立案し現場指揮官達と共有した上で、ビュコック提督に諸将への根回しや本部との交渉を依頼するが――。

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感想

本作の政治・戦略的描写は政治への皮肉やメタファーとしても非常に良く出来ているが、今回はブラック企業(というかいつの頃からの日本企業の悪癖)をも想起させるもので、観ていて何ともモヤモヤした気持ちになってしまった。
――全くの私事だが、フォーク准将の言葉が昔の職場の上司・先輩とピタリと重なってしまって、同盟軍の置かれた不条理な状況をとても他人事には思えなかった(苦笑

ラインハルトの、民草にもある程度の犠牲を強いるという姿勢は正に帝国主義そのものだが、現在の世界情勢を鑑みても、民主主義・自由主義を標榜する国家よりも、帝国主義的・独裁主義的な手腕を発揮している国家(あえて名前は挙げないが)の方が勢いがあるのは自明の理であり、強く否定できない部分もある。
しかし、ああいった手法の上に成り立つ国家は、また別の脆さを抱えてしまうもの。ラインハルトという絶対的なカリスマのもとに快進撃を続ける彼の元帥府には、必ず何らかの歪みが生じるはず。
同盟とは別の意味で、ラインハルト側にも危うさがある。

しかし、まさか番組終盤をまるまるラインハルト達の出撃シーンにあてるとは思いもしなかった。
「早く次の話に移って……」等と思ってしまった私は、少し堪え性が足りないのかもしれない(笑