たこわさ

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ゲゲゲの鬼太郎(第6期) 第6話「厄運のすねこすり」感想

ゲゲゲの鬼太郎 (TVサイズ)

今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

息子に出ていかれ、夫にも先立たれ、寂れゆく田舎町で独り暮らすマサエにも、新しい「家族」が出来た。
シロと名付けたその犬とも猫ともつかぬ生き物はマサエによく懐き、一人と一匹は穏やかな日々を送っていた。
しかし、シロにはある秘密があって――。

感想

前回の脚本があまりにもひどすぎたので、身構えながら観ていたが……今回は非常に良いエピソードだった。

構成としてはありふれているが、それは逆に言えば王道であるという事。
自覚のない化物と人間の交流、そして化物が自分の正体を知り人間を傷付けぬ為に悪役を演じ、自ら遠ざける……。異種間交流物語の典型の一つだけに、脚本が拙いと途端に陳腐になってしまう題材だが、それをきちんと描ききってくれたように思える。

一点、苦言を呈するならば、あまりにもシロに救いがなさすぎるので、「都会に移ってたくましく生きる」だとかそういった未来を提示して欲しかった。
マサエがシロの意図に気付いていてくれた事が救いといえば救いだが、それだけではあまりにも気の毒過ぎる。
恐らくは、知らぬこととは言え、老人を一人死に追いやってしまったシロを、ただ単に幸せには出来ないという脚本側の哲学があったのだろうが……。

翔の絶妙なぼんくら具合も良かった。
若い視聴者諸兄の中に、もし親と仲違いをしたままの方がいたら、今のうちに仲直りしておく事をオススメする。*1
すねこすりに取り憑かれなくとも、親という存在はどんどんと年老いて、気付けばいなくなっているもの。大事にしてほしい。*2

ゲゲゲの鬼太郎 妖怪ファイル

*1:余程の毒親ならば仲直りは無理、と諦めた方が良いが。

*2:これを書いている現在、私の両親はまだ健在であるが、知人・友人の親御さんは次々に亡くなられている。若い方が考えているよりも、別れは唐突な場合が多い事を、どうか知ってほしい。