たこわさ

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サクラクエスト 第20話「聖夜のフェニックス」感想

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今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

由乃達に背中を押され、オーディションの為に東京へと舞い戻った真希。意気込んで審査に臨んだ彼女だったが、あっさりと落とされてしまう。
一方、間野山の由乃達も、廃校で開催した「給食会」に全く参加者が集まらず、残念な結果に終わっていた。そこにオーディションに落ちた真希も戻ってきて、残念会のようなムードの中カレーを食べる。

しかし、由乃はまだ諦めていなかった。何故、この中学校への人々の関心が薄いのか、その理由を知った由乃は、歴代の卒業生を集めた「閉校式」を企画する。しかも、その式典の中で、真希の差配で「血まみれサンタ」を題材にした演劇をやろうと提案し――。

感想

信じて送り出したはずの真希ちゃんが一瞬で負け犬に……という展開だが、私的には驚きはなく、良い意味で「この作品らしいな」と思ってしまった。
前回の感想でも書いたが、この手の「仲間が夢の為に離脱する」展開は、もっと盛り上げようと思えば盛り上げられるネタなのだが、本作ではあえてそれをやらなかった。
あくまでも日常の延長線上に起こった事件として描き、そして「奇跡」も起こらない。長い間演劇から離れていた真希が、都合よくオーディションに受かる展開には決してならない。
こういった地に足の着いた展開こそが、本作の魅力なのだと、改めて主張しておきたい。

その証拠と言っては何だが、今までのような逃避の結果ではなく、割り切った末に始めた真希の演劇は、沢山の人々を笑顔にしていた。つまり、受けた。
これは、彼女が前向きになり、短いながらもきちんと準備をし、周囲の人々の協力も積極的に得ていたからこその結果であり、それはある種の「必然」とも言えるだろう。
「給食会」では大失敗した由乃の次なる企画が、今度こそは人々から絶賛されたのも同じような理由だろう。

きっとこの物語の最後に待っているのは都合の良い奇跡などではないだろうが、それでも着実に一歩進んだ間野山の姿を見る事が出来るのではないだろうか。