- アーティスト: 岸田教団&THE明星ロケッツ
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2016/07/20
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (2件) を見る
(以下ネタバレ)
あらすじ
共和国兵に見つかりそうになったシャミーユだったが、イクタの機転により事なきを得る――ただし、敵兵の死という代償を持って。シャミーユと自分達の命を護る為とは言え、気の良さそうだった敵兵を殺害する事は、イクタ達の心に消えぬしこりを残す事になった。直接手を下さなかったシャミーユも、自分の行いにより無辜の命が失われた事を痛手に思い、「腐った皇帝の血筋」と自らに流れる血への嫌悪をあからさまに示す。だが、そんなシャミーユに対してイクタは意外な言葉をかけると共に、敵兵が残した気球を使い思いもよらぬ脱出劇を企て始める――。
感想
展開が実にスピーディかつセリフ回しが簡潔なために、必要最低限の情報で世界観やそれぞれのキャラクターの立場が窺え、第一話に引き続き出来が良いと感じた。
シャミーユが自らに流れる皇族の血を嫌悪する様は、前回・今回と描かれた「名将を無駄な戦いで使い捨てるを良しとする帝国の体質」から何となく窺え、また早々に明かされたイクタの生い立ちと彼の皇族への反感から、皇帝及び帝国の惨憺たる現状も端的にではあるが明示された事により、世界観をすんなり受け入れる事が出来た。加えて、無残な死を遂げた共和国兵達の人柄の良さも、帝国側の抱える欺瞞を暗に示しているようにも感じる。
シャミーユ殿下は案外腹黒なようだが、イクタのナチュラルボーン女たらしな言動に早くも心奪われてしまった様子で、実に様々な表情を見せつけてくれた。「イクタの事を良く調べたぞ!」と自慢げに語り彼のトラウマを刺激してしまった件については、まだまだ年相応の少女なのだと感じさせる部分もあり……私的には実に好みである(笑)。
ヤトリがイクタとの深い信頼関係を窺わせつつも、二人の間には艶っぽいそれは全く感じられないので、恋愛描写担当はシャミーユになりそうな予感。OP映像のラストが、彼女がイクタに手を出し述べているシーンで終わる所も意味深に思える。
少々イクタがキレ過ぎなようにも思えるが、中将やシャミーユのようにきちんと言葉の真意を理解できるであろう人間の前でしかキレていないようなので、この点はイクタの本能的な打算に基づくもの、とも受け取れる。