- 作者: 松井優征
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/07/04
- メディア: コミック
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(以下ネタバレ)
本作は早い段階で実写映画・アニメの制作が決まり、多少のタイムラグこそあれほぼ同時期にそれぞれの媒体で「完結」を迎えるという、昨今流行りの形態をとっていましたが、よくあるメディアミックス作品と異なるのは「映画/アニメで独自のエンディングを迎えるのではなく、原作漫画と同じ結末を迎えた」という点かと思います。特にアニメ版については、多少の省略はありましたが終盤の展開はほぼ原作通りで、これは事前に原作者が結末について映画・アニメスタッフに詳細な情報を渡していたから可能だった事と言えます。それぞれの制作時期を考えると、よくもまあこれだけきちんと同じ結末に出来たものだと感嘆するばかり。*1
作者の頭の中にきちんと結末までの道筋が立っていたからこそ出来た芸当でしょうね。本当に、週刊漫画の多くが原作ストック不足や原作の方向転換などでアニメや映画が似ても似つかないものになってしまう例を多く観てきた人間としては、驚嘆に値します。
さて、この最終巻は記事タイトルにも書いた通り、丸々エピローグと番外編(+作者読み切り)に費やされるという、本当の意味での「完結巻」となっています。中学卒業から七年後の渚君達の成長した姿が描かれ、一部のキャラはその進路も示唆されている。「教育」っていうものはこうあってほしい、という作者のメッセージをひしひしと感じる結末だったと思います。
渚君の背が伸びていないのはあんまりだ、と思いましたが……イケメンになった彼なんか見たくもないのでむしろGJかもしれません(ぉ
渚君が選んだ「教師」という仕事。相変わらず本人は自己評価低めで自信なさげのようですが、「スイッチ」が入った彼はやっぱり「一流の暗殺者」で……。絡んできた不良に対して、それを鎮めるのに使った手段が「首もとに指先で触れる」という、殺せんせーが最後に渚に対してしてくれたのと同じ動作だった、というのが何とも泣かせます。*2
さて、同時収録の番外については、先日ツイートした内容がその価値を端的に表していると思うので、下記に引用しておきます。
「暗殺教室」は最終巻にして「渚君似のJS」という最終兵器をぶっこんでくるから凄い!(ぉ
— スミダ@たこわさ (@sumidanger) 2016年7月4日
後日談について
同時発売の「暗殺教室 公式イラストファンブック 卒業アルバムの時間」では、本編のエピローグでは描き切れなかった一部キャラクターの「その後」が、簡単な説明+一部キャラは2P漫画という形で掲載されていました。
カルマや烏丸夫妻のその後の話も結構おもしろげなのですが、個人的に一番ツボだったのは、千葉くんと速水さんのその後のお話……えーと、これ完璧夫婦だよね? という感じで何ともニヤニヤものでしたので、興味のある方はぜひご一読を。
卒業アルバムの時間 暗殺教室 公式イラストファンブック (ジャンプコミックス)
- 作者: 松井優征
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/07/04
- メディア: コミック
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