たこわさ

はてなダイアリーから移ってきました。暫くの間、レイアウトの乱れやリンク切れ等あると思いますが、ご容赦を。

Fate/stay night [Unlimited Blade Works] #25「エピローグ」感想

遂に最終回ですね。元々原作ファンでこのUnlimited Blade Worksのエピソードは大好きだったのですが、まさか原作の時よりもずっと好きにさせられるとは思ってもみませんでした。
そういった万感の思いを込めて、感想をば。
(以下ネタバレ)

あらすじ

聖杯戦争終結から二年――士郎と凛の姿は魔術の総本山であるロンドン時計塔にあった。聖杯戦争を生き延びた実力が認められ時計塔への推薦を得た凛、士郎はその弟子兼従者として共に時計塔で学ぶことを許されていた。
正式に魔術を学ぶ日々、凛との穏やかな生活、新たに知り合った知人――凛のライバルであるルヴィア――との騒がしい時間。やがて士郎のもとに、魔術教会から正式に時計塔へ加入せよとの通知が届く。それは、一人前の魔術師になる道が開けた事を意味していた。しかし、士郎の心にはある別の想いが渦巻いていた。
そんな士郎の気持ちを察する凛は、彼をある場所へと連れていく。そこはとある王の――アーサー王の墓とされるグラストンベリーの地だった。凛は、聖杯戦争の最後にセイバーと別れの言葉を交わせなかった士郎の心残りを覚えていたのだ。
その墓の前で、セイバーに問いかけるように自分の想いと向き合う士郎。そこで得たもの、そしてまるで背中を押してくれるかのような凛の言葉に、士郎はある決意を固めつつあった――。

感想

ロンドン留学中の士郎と凛は、学生生活を謳歌しているというよりは夫婦生活を満喫している、という感じで思わずニヤニヤしてしまいました。こりゃあコヤツら、毎日のようにs(以下自粛
ファンディスク「hollow ataraxia」やスピンアウト作品「プリズマ☆イリヤ*1でお馴染みのルヴィアゼリッタ嬢の登場と言うサービスも嬉しいですね。しかもTYPE-MOONのエイプリルフールネタを再現したかのような凛とルヴィアのガチンコ勝負とか……は、ちょっとやり過ぎな気もしますが。なんだあのコスチュームw
ルヴィアと凛の勝負の行方がどうなったのかは明示されていませんが……士郎に全力で甘える凛の姿が見られたのでそれだけで満足ですわ。なんだこのバカップル。
さて、士郎がアーサー王の墓を訪れた際、聖杯戦争が外から見れば数々の事件のうちの一つに過ぎない存在と認めつつも「特別なものだった」と語ったのを、凜が自分は段々そう思わなくなった、と否定している件。察しの悪い私としては、実はあの部分いまいち士郎と凜がどんな心理を辿っているのか理解できていないのですが、なんとなく「こんな意味かな?」程度ではありますが一応解釈してみると、あれは士郎が聖杯戦争固執しないよう戒めているのかな、と。人間はそもそも、誰かが積み上げて来たものの助けを借りて歩み、そしてまた自分も何かを積み上げていく、その繰り返しの存在。それは当たり前のことだし、人間は常に歩み続け積み重ね続けていく。だから、士郎は確かに聖杯戦争で答えを得たけれども、決してそれで終わりなんかじゃない、これからも歩み続け積み重ね続けるんだ。と、こういう事を言いたかったのかな、と。よく分からないですが。
ただ、一点だけ、「何を積み重ねるのか」という言葉は士郎への問いかけであり、彼の背中を押すものだった事だけは確かなのではないかと。

ロンドン編のみかと思いきや、しっかりと原作でのエピローグ部分、士郎達が日常へ帰った後のエピソードを描いてくれて安心しました。まあ、そもそもカットする理由はありませんからね。それでも、話の流れ的に「え? どこで入れてくるの?」とやきもきしたのは事実なんですが(笑)。アニメ組の方達は、一成と美綴がどうなったか気になっていたでしょうしね。あ、ちなみに視聴者的に慎二はどうでもいいかもしれませんが、原作での士郎のモノローグを信じれば「すっかり毒気が抜けた」らしいです。聖杯に毒気を吸われたんですかね?w それとも弱っている所を桜に調教されてしまったのか(ぉ
陸上部三人娘がモブ扱いとはいえ登場していたのも私的には嬉しかったり。

そして再び舞台はロンドンに戻り……まさかのロード・エルメロイII世さん登場にワタクシ大興奮。名前の通り、Fate/Zeroに登場したロード・エルメロイの関係者であり、「プリズマ☆イリヤ」における時計塔の中間管理職さんなのですが……実は原作ゲームでもhollowでも、彼の素性については触れられていないんですよ。彼の正体は公式読本やスピンアウト・スピンオフ作品などでしか語られていないので、純粋にゲームとアニメしか知らない人には「誰これ?」となりそうですね。あえてその正体についてここでは明言しないでおきますが、ヒントだけ出しておくと「冬木の聖杯戦争を知っている」「とある理由でロード・エルメロイの名を継いでいるが血縁者ではない」「中の人」と言ったところか。一部ヒントでもなんでもないのが混じっていますが、まあ気にするな!
そんなロード・エルメロイII世さんはロンドン塔では名講師として知られていて、彼が受け持った生徒は例外なく大成している、という設定があります。つまりは、人の特性や適性を見抜く眼力を持ち、道を示す事に長けている、ということ。流石に士郎を一目見てその人生を看破した、という訳ではなく、士郎の事を「巻き込まれた一般人」と呼んでいた事から事前に今回の聖杯戦争の報告書にでも目を通していたのでしょう。それでも、士郎の本質を見抜き、そして士郎自身が既に自分の在り方について答えを得ている事をあの場の会話だけで察しているのですから……やっぱり凄い人ですわな。さすがはロンドン塔一抱かれたい男!(?)
……まあ、それはさておき。
士郎は時計塔への正式入学、つまり魔術教会に属する道を選びませんでした。彼には魔術師として生きるよりも大切なことがありました。そしてそれをとっくの昔に察している凛は、何の迷いもなく士郎に付いていくことを決めていて、士郎もそれを当たり前の事と受け止めています。何このバカップル。あと、凛は「最終的に時計塔に落ち着くことになる」と言っている事からも、別に魔術師として大成する事を諦めている訳じゃないんですよね。紆余曲折あったとしても、結局は自分が頂点に立つ、という自負、自信を持っているのでしょうね、恐らく。非常に彼女らしいです。
士郎はアーチャーと同じ道、同じ最期を迎えるかもしれないけれども、その先に待っているものはきっと英霊エミヤとは違う道。どんな結末を迎えようとも、それはきっとハッピーエンド。何故ならば、彼の傍にはいつも凜がいるから。この辺りはともすれば「気の持ちよう」とも聞こえてしまいますが、まあ本質的に全く別のもの、と思っておきます。きっとその通りだし。

ラスト、消えゆくアーチャーと砂漠に佇み微笑む士郎の姿については、ちょっと意味を量りかねています。で、「もしや菌糸類の人*2がまたネタバレ解説やってるんじゃあ?」と期待して見に行ったら、案の定やってましたw 以下、該当部分に関する解説を引用。

・最後の最後のシーンについて
二度見直せば何を表しているか分かるシーンですが、誤解を招くとよくないので脚本より抜粋。

『●荒野のシーン
 ED後。冒頭と同じ荒野のシーン。
 ひとり歩く士郎。力つき、前に進む足が止まってしまう。
 士郎、砂嵐に目を伏せて下を向くと、誰かがいた痕跡(アーチャーが足を止めた場所)がある。
 士郎、ふう、と息を吐いて、顔をあげる。その顔はやせ我慢ではあるが、希望に満ちている。
 士郎、確かな足取りでさらに彼方へ歩いて行く。
 カメラはアーチャーの痕跡部分にとどまり、遠ざかっていく士郎の背中を見届けて終わり。
(より分かりやすい表現として、士郎が去った後、痕跡部分に現れ士郎を見届けるアーチャーをいれてもよし……だけど、やらない方がよいと思われる)』

別にさまよってるじゃなくて、彼方を目指しているだけなんだっつー話。

http://www.typemoon.org/bbb/diary/index.html#27

つまり、あれは士郎がアーチャーの辿り着いた場所より先の彼方へと歩んでいった、という事でしょうか? 凛の言葉通りになった訳ですね。傍らに凜がいなかったのでちょっと不安になってしまいましたが、つまりは現実に近いイメージ映像、というニュアンスか。
UBW世界の中でアーチャーがサーヴァント姿→守護者姿→消える、という演出の意味はやっぱり量りかねてしまうんですが……ただ単に得た答えを抱えたまま彼が英霊の座に戻った、という意味かもしれませんね。カット前の原稿見てみたいw

最後に

そんな訳で半年間(+三ヶ月)付き合って来たこの「Fate/stay night [Unlimited Blade Works]」も今回でおしまい。「ゲーム中みたいにルートの1つ」として終わらせずに、きちんと一つの物語として完結させてくれた事に深い感謝を。*3
超絶美麗な作画を魅せてくれたスタッフの方々に感謝。キャラクターに命を吹き込んでくれたキャストの皆さんに感謝。アニメに向けてアイディアをたくさん出してくれた奈須氏とその無茶振り(笑)を脚本に落とし込んでくれたライター陣に感謝。フィルムスコアリングによる臨場感溢れる劇伴を仕上げてくれた深澤氏に感謝。全ての関係者の方々に感謝。

いやいや、「Heaven's Feel」編も楽しみです。主に桜の黒さとか桜の黒さとか桜の黒さとか!

*1:更に付け加えるならば、格闘ゲームFate/Unlimited codes」の隠しキャラとしても。

*2:原作の奈須きのこ氏の自画像がきのこなため、俗にこう呼ばれる。

*3:上記引用先の奈須氏の日記でも言及されている通り、ゲームのように「次のルートへの布石」みたいに感じないように配慮した、という事らしい。