たこわさ

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ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 第48話「遥かなる旅路 さらば友よ」感想

原作既読。
(以下ネタバレ)

あらすじ

承太郎の激しい連打がDIOを吹き飛ばす。しかし、それこそがDIOの狙い。DIOの吹き飛ばされた先、そこはジョセフが倒れたその場所だった。ジョセフの体から血液を吸い取り傷が癒えたばかりか、ジョースターの血を得た事でDIOと彼の奪ったジョナサンの肉体とが完全に馴染み、DIOの体には更なるパワーが漲ってしまう。
その最中、承太郎は幻なのか現実なのか、天に立ち上るジョセフの魂を目撃する。霊魂のジョセフは語る「これからDIOが自分の体に何をしようと決して逆上して冷静さを失ってはいかん」と。その言葉通り、DIOはジョセフの遺体を嬲るように体内の血液を吸い付くし、ジョセフの遺体をミイラのように干からびていく。その光景に、ジョセフの言葉でも抑えきれぬ怒りを燃え上がらせた承太郎は真正面からDIOに立ち向かう。
しかし、ジョセフの血を得たDIOはパワーに満ち溢れていた。肉体も、スタンドのパワーも、そしてザ・ワールドの時を止める能力もが強化されたDIOを相手に、為すすべなく嬲られる承太郎。勝利を確信したDIOは、強化されたザ・ワールドにより限界まで時を止め、徹底的に承太郎を叩き潰そうとするが、そのDIOの慢心に承太郎は勝機を見い出し――。

感想

怒りにより窮地に陥った承太郎が、怒りによるスタンドパワーの底上げと砕けぬ意志でDIO勝利した、という展開の痛快さよ! 作中で散々「スタンドの強さは精神の強さ」といったようなことが語られている事から、怒りがスタープラチナにザ・ワールドを上回るパワーを与え、時を止める能力も二秒間にまで拡張された事は明らかですよね。よくある「何だかよく分からんが怒りのパワーで勝った!」展開とは一線を画すものだった、という所を強調しておきましょう。
もちろん、スタンドのパワーだけではなく、承太郎がDIOの「徹底的にやる」と「慢心」という二つの相反する性質を理解し見極めた事も勝利に繋がっている訳で。最後の最後で二人が時を止めないで戦ったのも、承太郎の挑発が効いている訳ですね……。

さて、おそらく多くの視聴者が「ジョセフは何故生き返ったのか?」「DIOの血が混じっているのに吸血鬼化しなかったのは何故?」という疑問を抱いたのではないかと思います。この点については原作愛読者の多くも抱いた疑問だったのですが、私が聞き知っているものと私的な考察を合わせると、恐らく以下のような理由なのでしょう。

  • ジョセフは天然の波紋使いであり、その生命力は常人とは比較にならない。
    • つまり細胞死までの時間が常人よりも遥かに長い可能性がある。
    • ジョセフがDIO対策に波紋エネルギーを活性化させていた事も寄与している可能性がある。
  • ディオの台詞から、吸血鬼にするには「吸血鬼のエキス」を注入する必要がある事が判明している。
    • 毒蛇や他の毒を持つ動物の多くがそうであるように、血液に毒が循環している訳ではなく、専用の器官等が存在すると思われる。
    • 仮に血中に吸血鬼の「毒素」が混じっていても、DIOの体内の血液はジョセフから奪ったばかりのものなのでまだあまり汚染されていない可能性がある。
    • またジョセフは波紋使いなので血液と肉体が吸血鬼化するまえに*1「毒素」だけを浄化できた可能性も高い。

まあ、こんな風に色々考えられますが……「たった一つのシンプルな答え」を提示するなら、「ジョセフだから」の一言で済んでしまうかもしれません(笑)。

承太郎達の別れのシーン、そして飛行機内で承太郎がそっと眺めた仲間達との写真に両目からスタンド発動してしまいましたよ……。最後まで、「情」の部分を担うのがポルナレフだった、という所も、また。

さて、好評を得た第一部・第二部に続いてアニメ化されたこの第三部ですが……原作でも屈指の人気エピソードという事を差し引いても実に素晴らしい作品でした! 毎回毎回「このシーンをこうやって再現してきたか!」「こんなアニメ表現があるのか!?」と驚かせてくれたスタッフの方々、愛すべきキャラクター達に文字通り命を吹き込んでくれたキャストの方々には感謝してもしつくせません。こうなってくると第四部のアニメ化にも期待が高まりますが……今回は何も告知がありませんでしたね。でも、恐らくやってくれるのではないでしょうか? 第三部とはガラリと雰囲気の変わる第四部をこのスタッフがどう調理してくれるのか、皮算用とは思いつつも今から期待に胸を膨らませざるを得ません。

*1:ヴァニラ・アイスの例から蘇生してもすぐに吸血鬼化するわけではない事が伺える。