たこわさ

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純潔マリア LIBER III「FIDE,NON ARMIS」感想

原作は半分くらい既読。
(以下ネタバレ)

あらすじ

天の意向を受けた大天使ミカエルの襲撃を受け窮地に立たされたマリア。その時、ミカエルの背中に一本の矢が射られる。アンと共に駆け付けたジョセフが放ったそれはしかしミカエルを傷付けるには至らず、それどころか「忠実な神の僕」であるアンとジョセフはミカエルの勢いに飲まれそうになる。しかし、勇気を振り絞った二人は必死にマリアの弁護をする。中でも、ジョセフの「主が隣人を愛せと言うように、自分は魔女マリアの事を愛している」という言葉は天の意志に沿うものだったのか、ミカエルはマリアを処分せずに代わりに制限を課す事にする。
その制限とは、人前で強大な魔力を振るわない事、そしてマリアが純潔を失うと同時に魔女の力を失うというもので――。

感想

敬虔なキリスト教徒でありながらも魔女マリアを庇うジョセフとアンの嘆願に、天が下した決断は十分に慈悲あるもののように見受けられます。大勢の人の前で魔力を振るう事を禁じるという事は、裏を返せば人目に付かない所でなら魔力を振るえるし、間接的に戦争に介入する事自体は禁じていない訳で。
また、マリアがただの人間になる道も示すなど、今の在り方にこだわる必要はないのだ、と諭しているようにも見受けられます。ミカエルの無慈悲な態度から「天の意志」はもっと冷徹で論理的なそれかと思っていましたが、人々に祝福を与える事も忘れていないんですね。
さて、天から猶予を与えられたマリアですが、そう簡単にその性格は変わらないようで。彼女を籠絡しようとした司祭にも毅然とした態度で挑んだように、魔女としてのプライドが一歩たりとも退いてはたまるか! と彼女を突き動かしているのかもしれません。
それにしたってもう少し柔軟に立ち回れば、十分に彼女の目的を達する事は出来ると思うのですが(苦笑
ミカエルの名代として遣わされたエゼキエルは天使にしてはとても感情豊かですし、ミカエルよりは融通の利く性格の模様。この辺りは適材適所を図ったのか、ミカエルの真意も一概にはうかがい知る事が出来ないような。