たこわさ

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ゲゲゲの鬼太郎(第6期) 第14話「まくら返しと幻の夢」感想

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今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

世間では、原因不明のまま眠り続ける大人達が増えていた。
まなを通じて鬼太郎に助けを求めに来た少年・マサシの父親も眠ったまま目を覚まさない上に、一度だけ目覚めた時に逆上してマサシを殺そうとしたのだという。

鬼太郎と目玉の親父は裏に妖怪が絡んでいると考え、夢の世界に詳しい妖怪・まくら返しを呼び出すが――。

感想

目玉のおやじの若い頃の姿が描かれたのは、原作・アニメ通じて初めてではないだろうか?
従来は肌が溶ける病に侵された、ミイラ男のような風貌しか描かれてこなかったが……またずいぶんと思い切ったものだなぁ、と感心してしまった。

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あの姿が目玉のおやじの理想という可能性は捨てきれないが、砂かけばばあの言葉を信じるのならば、強くカッコいい青年だったのだろうから、おそらくは実際の姿であると判断していいだろう。
しかし声が野沢雅子さんのままなので、某・孫悟空感があった(笑)。

世間や妻から見れば「駄目な父親」、しかし息子から見れば「優しくて頼りになるお父さん」。世間にはそういった方も、もしくは逆に父親としては駄目だが社会人としては一流、という方もいるだろう。
目玉のおやじもマサシの父親も、自分を卑下していたが、欠点も有れば長所もあるのが人間。特に目玉のおやじの体が失われているのはもうどうにもならないのだから、おやじが過剰に自分を卑下する必要はないはず。
それは、鬼太郎が健やかな心を持った少年に育っていることからもはっきりと分かる。

とは言え、妖怪たちと違い人間は働いてお金を稼いだり、働いている人を支えて家を維持したりする必要がある。
夢の世界を作り上げていた少女が最後に邪悪な笑みを見せたのも、マサシの父親がこれから再度直面するであろう世間の厳しさを示したもの、か。

しかし一方で、今回のエピソードは「助け合う」ことの大切さを伝えている部分もあった。
例えば、まなはまくら返しを焚きつけるのには役に立っても、夢の世界の中では見事に役立たずだった。普段は頼りになるねこ娘も同様。
更には鬼太郎までもが、敵に手も足も出なかった。
それを目玉のおやじやマサシの父親に救われた。
更に言えば、マサシが父親を大切に思い、勇気を出して鬼太郎達に相談しなければ、今回の事件は解決できなかった。

完璧な人間も妖怪も存在しない。だからこそ、お互いの足りない部分を補い合い、助け合う。
一見すると現代社会の厳しさを皮肉ったような今回の脚本の中には、「それでも素晴らしいもの、美しいものがあるんだ」というメッセージも込められているように感じた。