今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
エトにより強化されたカナエの猛攻を受け、片腕を失った琲世。
しかし、彼の中で何かが「噛み合い」、一転して優勢に立ち、カナエを圧倒する。
だがそこへ、エト――隻眼の梟が現れ琲世に悪意を向けてくる。
カナエと隻眼の梟を前に、遂に倒れ伏す琲世。だが彼の内面では今までバラバラだった「琲世」と「カネキ」の意志が、一つになろうとしていた。
一方、「アオギリの樹」の喰種・ノロにより、クインクス班と捜査官達は壊滅寸前まで追い詰められていた。
もはやまともに戦えるのは不知のみ。
不知は仲間達を守るために決死の覚悟を固め、単身ノロへ挑む。
そんな彼の一年が通じたのか、赫子は今までに見たことの無いような力を発揮し、遂にノロに決定的な一撃を撃ち込むが――。
感想
琲世=カネキの母親は、前シリーズでは「善良すぎて食い物にされた弱い人」として描かれていたが、実際には幼いカネキに暴力を振るうような人間だった。
カネキの穏やかな人柄は母親の影響とされていたが、それも半分ウソだった、ということになる。
そんなカネキが見た「夢」が、作り物であるはずの「琲世」だったというのは、なんという皮肉だろうか?
夢から覚めてしまったカネキは、一体どこへ向かおうというのか。
そして、そんな彼の迷走を後押しするかのように、不知が殉職した。
誰よりも仲間思いな不知。ある意味、クインクス班の中で琲世が一番信頼していたのは不知だったと言える。
あの瓜江の凍てついた心をも最終的には溶かしてしまった不知の優しさに、琲世も救われていた部分があったであろうことは想像に難くない。
そんな不知の死が、琲世=カネキの心に落とす影はきっと大きいだろう。
瓜江に告げた「自己責任」の言葉は、誰よりも琲世=カネキ自身に刺さったことだろう。
今までの自分と決別した琲世=カネキ。
胴を両断されながらも余裕を残し去っていったエト。
不知を失ったクインクス班。
月山達を救った旧あんていくの面々。
多くの捜査官を失ったCCG。
おぞましい本性を隠し続ける旧多。
それら混沌とした要素を孕みつつ、遂に本作は完結を迎える。
原作は7月中に終了が告知されており、アニメも10月から最終章の放送が予告されている。
「悲劇」である本作がどのような終りを迎えるのか、心して待ちたいと思う。
余談だが、今クールは原作でいうと単行本6巻の半分程度までの内容となっている。
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