今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
月に一度の「肉の日」に、ねこやでは味噌汁の代わりにとん汁を提供するのが常のとなっていた。
その為か、いつもよりも客足が多く常連達の食欲も旺盛。店主もアレッタもクロも、大忙しとなる。
そんな大忙しの状態も解消された夕方、アルトリウスが見知らぬハーフエルフの青年を連れて来店する。実は彼こそが、かつてアルトリウス達と共に異世界を救った英雄の一人、アレクサンデルであり――。
感想
アレッタちゃんの可愛らしい笑顔とお別れと思うと、身を引き裂かれるような思いだ(そこまでか
以前にもライオネルの回想で登場したアレクサンデル。何となく軽薄そうに見える雰囲気とは裏腹に、重い背景を背負ったキャラクターな模様。
この世界でのハーフエルフの寿命がどの程度なのかは不明だが、まさかアーデルハイドの曽祖父であったとは、意外や意外。
ヴィクトリアの例もあるように、あの世界の王族には、結構エルフの血が入っているという事だろうか?
ついぞ自分を父親とは認めてくれなかった息子を思って食するコロッケの味は、一体どんなものだったのか……。
最後に明かされる、店主と異世界との意外な関連性もグッド。
ただ単に先代の胆力が凄かった訳ではなく、元々異世界の住人であったヨミが橋渡しをしたのだな、と得心がいった。
さて、作画面では少々不安な面も目立ち、今回も昼間の店内にアルトリウスが登場していたりもして、「おや?」と思わせる部分が多かった本作だが、それでも「あえて多くを語らぬ」脚本スタイルや、付かず離れずな登場人物たちの距離感など、12話全く退屈せずに観る事が出来た。
一部では「食レポが原作より貧相」との指摘もあるようなので、機会があれば書籍版をチェックしたいところだが*1、私的には不満に感じる部分は殆どなかった。
全く期待していなかった作品だけに、ここまで楽しめた事は、正直嬉しい誤算だった。
このご時世、円盤がたくさん売れなければ二期は厳しいだろうが……あえて期待しておきたい。
- 作者: 犬塚惇平
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2017/06/27
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*1:WEB版を読んだ印象では、むしろアニメの淡々とした描写のほうが好みだった。