今回の満足度:省略
(以下ネタバレ)
あらすじ
遂にヤハクイザシュニナと真道との最後の「交渉」が始まった。
フレゴニクスを打ち破る隠し玉を準備しつつも、あくまでもザシュニナと対話しようとする真道。ザシュニナの矛盾点を指摘した真道の言葉に、ザシュニナも自らの「間違い」を認めるが――。
感想
怒涛の最終回だった。思う所があり、今回「満足度」は省略させて頂く。本文のみで、私がこの作品をどう捉えたのか、お察し頂きたい――。
さて、唐突に登場した「娘」の存在については流石に「いや、伏線足りてないよね?」*1と思ったものの、それ以外の点――例えば、真道がザシュニナの事を最期まで「友達」として尊重した、あくまでも彼に「感情」という人類の至宝を認識させ、彼の「正解」が間違っていると認識させることに終止した、という辺りについては納得がいった。
唐突なバトル展開や超展開に目を奪われてしまった方もいるだろうが、真道という人間が何を大事にしていたのか、という点について着目して観てあげて欲しい。きっと異なった印象を受けるはずだ。
また、Twitter等での反応を眺めたところ、ナノミスハインで娘と花森の相対時間を16年間分早送りした、という点を読み取れていない方もいらっしゃったので、超展開に呆れ返った大半が描写を読み取ることを諦めてしまったのではないか、と少々危惧している。所謂矛盾点は少なかった(描写不足はあった)、とだけここでは書き残しておく。
とは言え、やはり好みが分かれる展開だった。
ザシュニナに超越者としての「正解」を期待した方々は、見事に制作陣の術中にハマってしまった訳だが*2、それを抜きにしても、彼のあまりのヤンホモ振りに恐れおののいてしまった方も多いことだろう。
この点については私としても「少々やり過ぎでは?」と思ってしまった。
精々「深読みすればBL」に見える程度に留めてほしかった、というのが正直な印象。
とは言え、「感情」という異方には存在しない情報の塊に、ザシュニナも人格を保てなかった(というか三次元に降り立った時点で彼の高次元性は綻びを見せているはず)事を表すためには、ある程度過激な表現を使う必要があったのだろう、とも思った。
ヤンホモに対して「私達結婚しました&子供が出来ました」映像を見せつける真道は、ある意味鬼畜とも言える。何せ、その時にはもう、彼はこの世の人ではないのだ。ザシュニナが感情をぶつけるべき相手は、もういないのだ。
その事実を正しく理解したザシュニナの壊れようは、見ての通りである(苦笑)。
最後は力押しになってしまったが、もしかすると真道は、全ての情報を理解した時にザシュニナが自ら引き上げてくれることを少しは期待していたのではないか、とも思う。しかし、高確率で彼が逆上するであろう事を察していたので、娘を遺したのだろう。
序盤どころか中盤までの展開からは想像もつかない終わり方をし、必然的に批判が避けられない作品となったように見受けられる。ただ、脚本担当の野崎まど氏は結構その手の作風らしいので、これも制作陣の狙い通りなのかもしれない。
……しかし、結局「カド」は「正解」しなかったが、タイトル回収はどこかでされたのだろうか?
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