たこわさ

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サクラダリセット #07「WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL 2/3」感想――もはや雰囲気だけアニメになりつつある印象

サクラダリセットBlu-ray BOX1
今回の満足度:1点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

「赤い目の少女」の正体は、かつてのケイの後輩・岡絵里だった。過去にケイによって救われたはずの岡絵里、だが今彼女はケイに憎しみにも似た感情をぶつけ敵対しようとしていた。「春埼美空の能力を奪う」と公言した彼女に危険を感じたケイは、春埼にリセットを命じる。
改めて岡絵里への対応策を考えるケイだったが、リセット後の彼女の行動は素早く、春埼はまんまとおびき出されてしまい――。

感想

そう言えば、こういった特殊能力モノというジャンルでは、登場人物たちの能力の根源――つまりその原理や世界の法則などが明かされる部分が一つのクライマックスになってくると思うのだが、本作ではそういった「種明かし」のような展開はあるのだろうか?
現状だと、能力とキャラクターの設計が先立って生まれている印象を受け、「世界から生まれた」という風には感じられない。つまり、能力は「ただそこにある」状態という印象しか受けないという事なのだが……この点も本作を好きなれない理由かもしれない。

本作はアニメが原作の奴隷になっている典型例かもしれない

しかし、相変わらずキャラクターが淡々と理屈っぽい台詞を言い合うだけのアニメだ。
理屈っぽい台詞――特に長回しなそれは、ストーリーに没頭できている内は魅力的に感じるかもしれないが、ある程度俯瞰して作品を観ている人間にとってはただただ退屈でしか無い。
例えば、「涼宮ハルヒの憂鬱」のキョンのモノローグは、ともすれば理屈っぽく冷笑的な長台詞に思えてくる部分が多いが、アニメ版ではそのモノローグに合わせて様々な画面・音響演出を入れていたので、結果として退屈に感じないようになっているし、台詞そのものも引き立つようになっている。言わば原作台詞とアニメ演出の相乗効果というやつだ。

本作の、全体的に派手な演出や演技を抑えた作風は、恐らく原作の台詞や雰囲気を大事にしているからなのだろうが……やはり、アニメ側で何らかの新たな魅力を付加、もしくは原作のその雰囲気に色を添えるような工夫がなければ、「ただ絵がついて動いて声が出る動画」でしかない。

正直、もっと工夫がほしい所だ。