あらすじ
ミニーCにより紗名が攫われてしまった。自分のせいだと動揺する早苗を落ち着かせる蔵六だったが、内藤は二人に更に衝撃的な事実を告げる。
一方、紗名もミニーCからその事実を告げられ、衝撃を受けていた。紗名は人間ですらなく、「アリスの夢」そのもの――持ち主のいない「鏡の門」が、周囲の人間から読み取った情報をコピーし、人格や外見を形作った存在なのだと――。
感想
ごくごく個人的な目的の為に紗名を利用しようとしているミニーCが、「人類のため」というお題目を並び立てる……それは詭弁の典型例であり、研究所そのものの姿勢をも表しているように感じた。願わくば、次週辺りに蔵六に徹底的に論破して再起不能位にしてもらいたいところだ。
紗名の正体は確かに衝撃的だが、蔵六の言った通り、(たとえそれが擬態であったとしても)周囲の人間の言葉を聞きそれを慮る事が出来る紗名と、子供の姿をした意思疎通の出来る存在を眉一つ動かさずに痛めつける事のできるミニーCの、果たしてどちらが人間といえるだろうか? 少なくとも、紗名は制御の利かない兵器などではない事を、蔵六は知っている。他人の話を聞かず力ずくで物事を解決しようとするミニーCと紗名、どちらが信用できるのか……実に単純明快な論理だ。
……しかし、幼女の失禁やら足を銃で撃ち抜かれるやら、何とも観ている人間のSAN値を試すような内容が多い。もっとも、不自然に「優しい世界」が展開されても、それはそれで筋が通らない事なのだろうが。
- 作者: 今井哲也
- 出版社/メーカー: 徳間書店(リュウ・コミックス)
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