たこわさ

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アルスラーン戦記 風塵乱舞 第八章「風塵乱舞」感想

翼(期間生産限定アニメ盤)

翼(期間生産限定アニメ盤)

今回の満足度:5点(5点満点中)
※原作既読。
(以下ネタバレ)

あらすじ

軟禁されたイノケンティス王救うべく、エトワールが頼ったのはアルスラーンだった。だが、エトワールの心情と立場を理解しつつも、傀儡とは言えパルスの国土国民を蹂躙した敵国の王を救う事がパルス人にとって大義とはならない事をアルスラーンは重々承知していた。ダリューンナルサスも、何の権限も持たないエトワールの「国王を救えばルシタニアは撤退する」という口約束だけでは見返りとして不十分である事を指摘する。
しかし、状況は動きつつあった。アンドラゴラス王はエクバターナ奪回の為に兵を挙げ、ヒルメスはボダンから宝剣ルクナバードを取り戻し王位を手に入れるべく動き出した。パルスの未来を占う戦いが始まろうとする中、アルスラーンの決断は――。

感想

事前にある程度分かってはいたが、やはり「戦いはこれから」という所で終わってしまい何とも不完全燃焼*1。三期の予告は無かったが、今期のこの出来の良さを思えば是非とも制作していただきたいところ。

エトワールの無茶振りを、一定以上の理と利を持って最終的に受け入れてしまうアルスラーンの度量の大きさは、まさしく王者に相応しいもの。アンドラゴラスヒルメスのように血筋や格式にがんじがらめになった人間には実現しえない理想の体現者へと、また一歩近づいたとも言える。遠く離れたキシュワードの確信や、アンドラゴラスに不満を持つ諸将達のアルスラーンへの評価を見ても、時代の流れが彼に来ている事は明らかだろう。

スタイリッシュ奇襲でルクナバードを奪取したヒルメス一行も段々と魅力的になってきたが、彼は古い権威に縋るだけで、彼自身が何か新しく生み出そうという気概が無い。その辺りがアルスラーンとの器の違いなのだが……彼がその事に自ら気付ける日はくるのだろうか? アンドラゴラスについてはもう「分かっていてやっている」なのだろうが。

*1:なんだろう そうなんだろう そうなんだろう