たこわさ

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うしおととら 第弐拾八話「もうこぼさない」感想

今回の満足度:3点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

新たな獣の槍を作る人身御供とすべく、真由子と傍にいた麻子を攫った東西の妖怪達。そこへジエメイが現れ説得を試みるが、潮ととらという心強い味方の事を忘れてしまっている妖怪達の不安は消えない。いよいよ真由子が煮えたぎる炉の前に引き出されたが、その時、麻子が「ジエメイの血を引く真由子は今後も役に立つはず」と主張し代わりに自分が人身御供になると言い出すが――。

感想

真由子が幼い頃から憧れていたように、麻子は本物のヒーローの気質を備えていると思う――思うが、やはりそこにあるのは究極のエゴイズムで、良くも悪くも「正義の味方」なのだろう。煮えたぎる炉に自ら身を投げ出せるその勇気は潮に負けず劣らずだが、その場を生き延びたとして親友が身代わりとなり自分の目の前で無残な最期を遂げたとあっては真由子の心も死んだも同然状態になるだろうに、そこへの配慮や申し訳なさは欠片も感じられず、言葉は悪いがやはり彼女は独善的な人間であろう。
もちろん、それこそが「正義の味方」の正しい姿なのだが。実質犠牲になる事を選びながらも「迎えに来てね」と残された者への希望の言葉を残した真由子との違いは明らかであると思う。
記憶を失ってもなお、潮ととらが思い出させてくれた優しさを忘れていないかがりや、何とも人間らしい感情を示してくれた小夜の姿も同様に。まあ、つまりは麻子は「ヒロイン」ではなく「ヒーロー」として描かれている、という事なのだろうが。