- 作者: 加藤和恵
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/06/04
- メディア: コミック
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(以下ネタバレ)
あらすじまとめ
- 外道院は志摩の手で逃がされるが、勝手な行動をしたためにルシフェル自身の手で粛清される。
- 出雲の妹・月雲は、メフィストの手で保護され幸せに暮らしている事が判明。
- しかし出雲の事は全く覚えていなかった。
- 出雲、しえみの前で初めてありのままの感情を吐露。号泣。
- 朴に出雲の事を託されていたしえみはその事を素直に喜び共に泣く。
- 志摩がメフィストの指示で動く二重スパイである事が判明。
- 志摩、イルミナティ側からも二重スパイを命じられて学園に戻ってくる。
- 本心を見せない志摩をみんなでフルボッコ。
- メフィスト、ルシフェルを倒す為に燐達を手駒として使っている事をしれっと明かす。
- 激昂する燐だったがメフィストに軽くあしらわれる。
- 雪男、外道院との戦いのさなか、ルシフェルと接触していた事が判明。
- 雪男に身に起こっている異変の事で揺さぶられる。
- しかしその事は志摩しか知らない。
- 志摩、双方の組織の二重スパイである事を全力で楽しむ。どちらの味方なのかその真意は誰にもわからない。
感想
やっぱり出雲ちゃんのヒロイン力が高すぎてしえみが霞みます。もちろん、出雲が感情を吐き出す先として包容力を見せてくれたので、いい娘には違いないのですが……いちいち言葉が過剰な善意に溢れすぎてるんですよね。そりゃあ人気投票でも出雲の後塵を拝する訳だ……。
出雲ちゃんは母親の墓前で「もう自分を哀れまない」と宣言し、実際、本音とか隠さないようにしましたし燐達への仲間意識を素直に出すようになりましたが……ツンデレ気質自体は変わっていないのでファンの方々は安心めされよ(?)。
一方、志摩は二重スパイどころか最早どちらの味方なのかよく分からない状態になっていますが、本人はその状況を心底楽しんでいるようで、相変わらず食えない奴です。そんな中でも勝呂との友情とか絆はまた別の話、という所がなんともはや。
一見、この物語のトリックスターはメフィストのように感じられますが、実の所メフィストには確固たる目的――ルシフェルの打倒があって、ほぼすべての行動の原理になっている。対して志摩は、命懸けの火遊び自体が目的であり、本当の意味でのトリックスターは志摩である、と言えましょう。
雪男はどんどん暗黒面に傾いて行ってますね。ルシフェルは彼の内面を看破した上で揺さぶりをかけていますが、多分メフィストも雪男のことは気付いてるんじゃなかろうか? 奥村兄弟の出生の秘密を知っているのでしょうから、当然の事なんでしょうが。