たこわさ

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アルスラーン戦記 第1話「エクバターナの栄華」感想

原作は遥か記憶の彼方……。漫画版は流し読み程度。

(以下ネタバレ)

あらすじ

交易路の要所に栄える大国パルス。勇猛なる王・アンドラゴラス三世によって治められるこの国は、周囲で巻き起こる戦乱の嵐とは無関係の如く繁栄し平和だった。そのような環境下で育った王太子アルスラーンは、勇猛な騎士である父王とは違い、穏やかな人柄の持ち主。父王が凱旋したある日の事、物珍しさから戦場で捉えられ奴隷とされる異民族達に彼らの国の話を聞こうと市中へと赴いたアルスラーンだったが、運悪く脱走した捕虜の少年と出くわしてしまい、人質にとられていた少年達を救うべく自らが身代わりとなって連れ去られてしまうがーー。

感想

上記の通り原作は読んだはずなのですが遥か記憶の彼方でして、今回のアニメのベースになっている荒川弘版コミックを読んだ時にはダリューンの顔を見て「イケメンの顔が四角いwww」などと爆笑したものの、よく考えたら私の記憶している「イケメン」はナルサスだったなぁ、などと記憶違いも甚だしい状態だった訳ですが、まあそれはともかくとして……。

交易によって栄える大国、しかしその実態は異民族を当たり前のように奴隷として使役し虐げる事に疑問を持たない、強王が武力で他を平らげたその戦果を享受する国であり、彼らは異教徒を全て滅ぼすべしという過激な思想を持つ異国の侵攻を受けている……と、何だか昨今の世界事情にも通じてきそうな構図ですが、実際にはいつの時代も似たような対立構造が存在していた、という事なのでしょうが。

一見頼りないアルスラーン王子ですが、異教徒の少年の語る過激な教義を頭から否定するのではなく論理的矛盾・齟齬を疑問に思ったり、奴隷を逃がすきっかけ作った少年達を罰するのではなくおおらかな心で赦し信頼を勝ち得るなど、良い意味での「天然」である事が窺えますね。ただ、傷付き疲れ果てていた捕虜の少年相手にろくな抵抗も出来なかったところ見るに、その才能は戦場で身を助ける程の物ではない、とも思ってしまいますが。もっとも、少年を助けるために咄嗟の行動が出来ていたところからは、案外フィジカルな方面もいけるのではないか? という可能性も感じさせるのですが。