たこわさ

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純潔マリア LIBER II「CONTRA MUNDUM」感想

原作は半分くらい既読。
(以下ネタバレ)

あらすじ

純潔の魔女・マリアは、使い魔のアルテミスを遣わし指揮官を骨抜きにする事で、軍隊同士の衝突を防いでいた。
ある日、マリアが離れている間に、村が傭兵団の襲撃を受けてしまう。激怒したマリアは魔法で傭兵たちの視力を奪うが、その時、マリアの行動を以前から見咎めていた天界の使者・大天使ミカエルが降臨しマリアに天誅を下すべく襲い掛かって来て――。


感想

新たな使い魔・プリアポスを巡るドタバタで笑わせておいて、後半は一気にシリアスに、という落差が緊張感を持たせてくれます。
大天使ミカエルの指摘はいちいち正論ではあるのですが、そもそも有限の力しか持たないマリアに対して全ての諍いに介入し全てを救って見せろ、というのは所謂詭弁なんですよね。だって、初めからマリアには不可能な事だけを挙げ連ねているだけですから。
もちろん、マリアが強大な力を振るって一つの戦いを終わらせても、戦争自体がそれで終わるわけではなく、マリアのあずかり知らぬところではまた別の戦いが起こっている訳で。マリアが行っているのはその場しのぎの対症療法であることは事実。
ただ、少なくともマリアの目の届く範囲では戦を忌避する風潮が生まれるかもしれないし、そうなれば少なくともその周辺の人々は戦に巻き込まずに済むわけで*1、彼女の行動が全て無為である訳ではないのも事実。
とはいえ、全てに公平であり巨視的な立場にある天界にそんな論理が通じるわけもなく、圧倒的に各上の相手にマリアは絶体絶命の窮地に追いやられますが……そこでジョセフとアンが助けに駆けつけた事は、ある意味マリアの行動がすべて無駄ではないという証左でもあり。
果たして、大天使ミカエルはその公平なる理性でどんな判断を下すのか……。

*1:もちろん、徴兵されて遠方の地に派兵される可能性もありますが。