たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

Fate/stay night 第24話「全て遠き理想郷」

しょっぱなのへぼいテロップとかを除けば、良い最終回だったのではないでしょうか?
(以下ネタバレ&シリーズ全体の感想)
という事で、しょっぱなのブルーバックに白地のテロップは、何か意図があっての物だったのか、皆目検討がつきません。話の流れから言えば、「この世全ての悪」に飲み込まれた士郎を見てほくそ笑む言峰の姿だとかを映していれば良かった気がするのですが。いや、むしろ普通に黒地に白文字でも良かったでしょうし。
最終回だけあって、作画は安定。火の粉とか髪の揺れとか、細かい所も描けてたのではないかと。ギル様のエヌマ・エリシュも最後にしてようやくいい感じの描写になっていたし。
まあ、ただアヴァロンの描写がちょっと迫力不足というか。確かに、アクションとしては「スター状態のマリオ」の如き能力の方が描きやすいのは分るんですが、原作の一枚絵みたいに盾の如くかざして攻撃を防ぐ感じの方が、私的には燃えるんですがねぇ。左右対称の構図で士郎とセイバーを描けるというメリット(?)もあるし。いや、まあ原作の設定でも「展開して自身をある種の結界の内に置く」ような説明がされているので、描写の仕方としては合っているんでしょうが。
ギル様の最後、髪型が別バージョンになっていたのはファンサービスでしょうか? 台詞回しと合わせて、ええ感じでございました。
ただ、直前のセイバーがギル様に肉薄する所で、セイバーが普通にタタタと駆けてしまっているのが、相変わらず悠長なアクションだな、と。一足飛びでいいじゃないですか、と。前後が良かっただけに、ちょっと残念な所でした。
士郎とセイバーの別れのシーンも、絶妙の演出だったのではないかと。消失したイリヤと士郎のモノローグのテロップ表示を除けばw 本当にこのアニメのスタッフは、モノローグの処理が下手なんだな、と最終回にして再認識。

エピローグに尺をかなり割いた事で、冗長に感じた方もあった事でしょうが、私的には丁寧に描いてくれて満足。ただ、サー・ベディヴィエールの声がなぁ……。なんであそこで女性(でしかもあの声優さん)なのか……。いいシーンなのに気になってしょうがなかったですわ。
あと、士郎が凛と一緒に登校しないで一人橋の上で物思いにふける、という描写は、士郎の内面自体は前向きなのに行動がちょっと後ろ向きで矛盾して無いか? という感じも。まあ、最後にメインキャラの周りを一陣の風が吹いて……という演出の為には、必要な展開だったのかもしれませんが、ちょっと、ねぇ?
ところで、エピローグを丁寧に描いた割には、慎二に対するフォローが欠片もないのは、一体どうした事だろうか? 軽いイジメですかw

とにもかくにも、最終回として見た場合には、十分に及第点だったのではないでしょうか。といっても、100点満点中75点位ですが……。

シリーズ全体の感想(簡易版)

さて、最終回まで見たところでこのアニメ版「Fate/stay night」全体に対する簡単な感想をば。
とにかく、回によって出来不出来が激しすぎるアニメだった、というのが第一の印象。全体の統括が甘かったのかな? という感じ。
脚本全体で言えば、士郎のモノローグを上手く処理できていないのが非常に残念でした。原作のFateルートでも士郎はかなり突貫野郎ですが、モノローグであれこれ悩んでいる姿を描写してフォローしているのが、アニメだとそれがなく、結果ただのオバカサン(原作でも只者じゃない馬鹿ではあるがw)に終わってしまっていたな、と。
全体の構成をみると、24話というタイトな尺であるにも拘らず、キャスター編を中途半端に取り入れてしまったり、桜ルートの話を無理矢理詰め込んでしまったりと、無駄遣いが多かったようにも思えます。全体的に、Fateルート以外の話は断片的にしか語っていなかったのだから(アーチャーの正体とか)、同じ作法で貫くべきだったんじゃないかな、と。そのせいでセイバーと士郎の繋がりがいまいち薄かったですし。
一応、原作者・アニメスタッフ満場一致で「Fateルートをやろう!」と決めたらしいですが、アニメとして映えるのはやはりUnlimited Blade Worksルートだったんじゃないかぁ、と。いや、もっと尺に収まりきらない事は明白なんですがね。
やはり、全24話というのがそもそも無理があった。48話位でFateルートとUBWルートをうまい具合に融合できてれば……と思うも後の祭りですが。せめてOVAで別ルートでも欲しいですねw
さて、このアニメ全体を100点満点で評価すると、60点、ぎりぎり及第点といった所でしょうか。本当はもっと厳しい評価でもいいんですが、長大な原作に対して24話でまとめる事を考えたら、よくやった方なんじゃないかと。