今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
アッシュとオーサーの決闘の時がやって来た。
ケインとシンを立会人にした正々堂々たる勝負――と思われたが、オーサーは卑怯にも伏兵を忍ばせており――。
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感想
オーサーの最期は、アッシュが一線を越えてしまったことの象徴でもあったのだろう。
ただの嫉妬ではない、ある種の複雑な思いがオーサーを突き動かしていた。アッシュもそんな彼のことをよく理解していた節があり……。
「通じ合う」というものにも色々な形が存在する。
アッシュと英二のように、お互いの内面をよく理解し通じ合ってはいるが、住む世界が違いすぎる形。
オーサーとアッシュのように、水と油ながらも同じ世界に住みお互いがお互いを理解しているという形。
絶対にわかりあえる相手ではないオーサーが、ある意味ではアッシュの究極の理解者の一人であったというのは、なんとも皮肉に思える。
オーサーは誰よりも、アッシュの才能を、美貌を、カリスマ性を認めていた。そしてその天賦の才能に嫉妬した。
アッシュは「(オーサーの嫉妬の原因は)俺のせいじゃない」と言ったが……アッシュのそういった、「授かりもの」をひけらかさない態度もまた、オーサーを苛つかせた原因の一つだったのだろう。
作中の描写からは、オーサーもストリートギャングのリーダーに収まる器では無かったことが窺える。だが、アッシュのそれには全く及ばなかった。
確かにアッシュのせいではないのだが……彼との出会いが、オーサーを狂わせてしまったことも確かだろう。
そんな「自分になれなかった男」を介錯したアッシュの心中はいかばかりのものだろうか……。
アッシュはオーサーの「卑怯」に激高していたが、それはある意味で実力者と認めた男が自分と正面からぶつかってくれなかった事への怒りでもあったのだろう。
オーサーは決して、アッシュにとって「道端の石ころ」ではなかったはずなのだ。
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