今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
憲兵団に攫われたエレンとヒストリアは、ヒストリアの父である領主ロッド・レイスのもとへ連れてこられていた。
かつて、愛人であったヒストリアの母親を見殺しにし、ヒストリアに「クリスタ・レンズ」という偽の名前を与えたレイス。
だが、レイスは意外にもヒストリアを抱きしめ、今までの事を詫び始めるのだった。
一方、ピクシスと面会したエルヴィンは、ハンジ達が情報を持ち帰るまでの雑談として、自らの幼少期の出来事を語り始める。
歴史教師であった父親と、その父を死に追いやってしまった自分自身の話を――。
感想
ヒストリアのあまりにも悲惨な過去。
母親には愛されず、父親には見捨てられ……。そればかりか、ゴミのように処理される母親の死を目の当たりにさえしている。
そんな彼女が、いくら演技だったとは言え「クリスタ・レンズ」という快活で優しい少女でいられたことは、ある種の奇跡か、それともあまりにも悲惨な自分自身の過去への反動か。
一方、ヒストリア以上の「歪み」を内に抱えるエルヴィンの過去もまた凄まじい。
エルヴィンの父親がどうやって殺されたのかは、実は前回ちらっと描写されていたが……幼かったとは言え、自らの無知が父親を死に追いやってしまったことで、エルヴィン少年の人格に消えない傷跡が刻まれたことは想像に難くない。
エルヴィンの本質は、理想主義者や夢想家というよりは、むしろ復讐者に近いのだろう。
自分自身に何かあった時のために、ハンジを次期団長に指名したが……あれは夢想家で求道者で探求者であるハンジの方が、本来は調査兵団の長として相応しい、という彼の言外のメッセージなのかもしれない。
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