たこわさ

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多田くんは恋をしない #13「俺も、一生、忘れない」感想

ほっとけないだろ

今回の満足度:3点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

ラルセンブルクでテレサと再会した光良は、彼女自身の口から王女であること、そして将来シャルルと結婚することを告げられる。
意外な事実に打ちのめされた光良は、言いたいことも言えぬまま城を去ってしまう。

自分でも知らぬ間に涙を流し、街をさまよう光良。偶然に彼を発見した伊集院は、事の次第を聞き出すと、光良を叱咤し再び立ち上がらせようとするが――。

感想

まさかこう来るとは……という終わり方だった。
紋切り型の苦い結末よりは幾分かマシだったが、シャルル一人に重荷を押し付けた上に、テレサが女王になるという変わらない未来とどう折り合いをつけるのかも示されず、何とも中途半端な終わり方だった。

「投げ出せない様々なもの」があるからこその悲恋だったのに、それら全てを有耶無耶に終わらせてしまっては、台無しだ。
これをハッピーエンドだと単純に受け取るには、余計な描写が多すぎた。
シャルル一人が悪役になることで解決する程、ことは単純ではないはずなのに、何故全てが解決したかのような描き方をしてしまったのだろうか?
「二人の未来は前途多難だけれども、共に頑張っていく」という描き方は出来なかったものか。

もちろん、良い部分もあった。
一と委員長のアイコンタクトから窺える二人の関係の変化であるとか、逆転したかのようなゆいと山下の関係性等など。安易に言葉にしなかった点には、素直に感心してしまった。

そういった繊細な描き方が出来るスタッフが、何故メインの二人の恋愛についてはあのような雑な片付け方をしてしまったのか……なんとも疑問の残る作品となった。