たこわさ

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シュタインズ・ゲート ゼロ 第10話「存在証明のパンドラ」感想

零化域のミッシングリンク


今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

とりあえずではあるが、アマデウスの復旧も終わった。一つ肩の荷が下りた比屋定だったが、彼女には自身では気付いていない、ある可及的速やかに片付けなければならない懸案事項があった。

それは――悪化の一途を辿る、彼女がフェイリスから借りた部屋の「汚部屋」化だった。
まゆりと共にフェイリスに呼び出された岡部は、「お掃除軍曹」の指揮のもと、部屋の片付けを手伝うことに。

その際、岡部は以前から悩んでいたアマデウスのテスターとしての仕事を継続する、と比屋定に告げる。
岡部にどんな心境の変化があったのか、興味を持った比屋定は、自分自身も紅莉栖への想いに区切りをつける為に、彼から話を聞き出そうと考えるが――。

感想

綯の「お掃除軍曹」姿には、α世界戦での彼女の無残な未来をちょっとだけ連想してしまった。
高い潜在能力を持つ綯は、一歩道を間違えると冷酷な戦士と化してしまう。β世界戦での彼女がどうなるのかは……アニメ内で描かれるだろうか?
最終的には「ロボティクス・ノーツ」で描かれた、気持ちの良いお姉さんになると知ってはいても、β世界戦の先に待つのは第三次世界大戦という陰惨な未来であり、綯の将来にも不安が残る。

今回は、回路(パーツ?)マニアという比屋定の意外な姿が見られた。
ああいう部分が、紅莉栖が良き先輩として慕った理由なのだろう。

比屋定は、紅莉栖をアマデウスモーツァルト、自分のことをアントニオ・サリエリに例えていたが……戯曲「アマデウス」で語られたような二人の関係の多くは、後年の口さがない噂話や創作である。
また、紅莉栖はおそらく純粋に比屋定を慕っていたし、分野違いの専門家として一目置いていたように見受けられるので、比屋定の劣等感は二重の意味での勘違いの上に立脚しているのでは? と感じてしまう。

岡部の心情や紅莉栖との関係を察する観察眼や、他者への行き届いた気遣いを見るに、おそらく比屋定は彼女が思っても見ないほどに紅莉栖の心の支えとなっていたのではないか、と思う。
アマデウスの比屋定に対する親愛ともとれるフランクな態度からも、それは窺える。

さて、そんな比屋定もどうやらタイムマシン関連のトラブルの渦中に巻き込まれてしまうようだ。
紅莉栖のノートPCを預けた「信頼できる」筋とは一体どこの誰のことなのか……。メールには「DaSH」と書かれていたが……。

岡部との実質デートの雰囲気から一転、紅莉栖の最期の場所を訪れるまでの流れが神がかっていて、毎度のことだ恐れ入った。

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