たこわさ

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シュタインズ・ゲート ゼロ 第8話「二律背反のデュアル」感想

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今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

アマデウスからの「助けて」という電話を受けた瞬間、リーディングシュタイナーが発動した。
気がつくとラボにまゆりやダル達の姿はなく、そのかわりに死んだはずの紅莉栖が姿を現した。
そこは、岡部がまゆりを助けることを諦めた「α世界線」の続きであった。電話レンジもタイムリープマシンも破棄された、行き止まりの世界。

岡部の様子から、紅莉栖は彼が異なる世界線から移動してきた事を察し、岡部は彼女に事のあらましを話す。
すると紅莉栖はすぐに「元の世界線へ戻るべきだ」と岡部を諭し、彼女が自ら新たな電話レンジを開発していた事を明かす。
電話レンジを使えば、恐らく岡部はβ世界線へ戻れる。しかしそれは、岡部の手で再び紅莉栖を殺せと言っているのと同義で――。

感想

たとえ和やかな雰囲気が皆無な悲しい場面であっても、それでも岡部と紅莉栖が会話をしているだけで心にあたたかいものが湧いてきてしまった。

紅莉栖が岡部の異常に気付いたのは、彼女の頭脳が明晰だったからだけではないだろう。たった三週間の短い時間の付き合いではあったが、紅莉栖は岡部の良き理解者であり――何より、岡部を愛していたのだ、という事が窺える。

岡部がβ世界線への帰還を中々決断できなかったのは、紅莉栖を失うこと、紅莉栖を再び自らの手で「殺す」ことへの恐怖もあっただろうが、同時に紅莉栖の自分への深い愛情故の自己犠牲を理解していたからなのだろう。
深く愛し合う故に正反対の願望を持つ二人のすれ違い。これもある種の愛の形か。

紅莉栖が世界改変に使ったDメールの内容は「ハイルナ」。
岡部がβ世界線への移動を実行したあの瞬間――その直前に送られたDメールにより、紅莉栖がラボの扉を開けるまでにわずかの間が生まれた。
つまり、今回岡部が移動したα世界線では、岡部がエンターキーを押す直前に紅莉栖がラボに姿を現してしまった事で、岡部の決断――紅莉栖を犠牲にしてまゆりを救うという意志が折れてしまったという事らしい。
省かれてはいたが、おそらくは紅莉栖が岡部から色々とヒアリングし、今の岡部とこの世界線の岡部の行動の齟齬を洗い出し、二人の岡部の差異を生んだ分岐点を導き出したのだろう。

自らの岡部を想うが故の行動が結果として岡部を壊してしまったのだと、改めて突きつけられたであろう紅莉栖の内面を考えると、なんともやるせない。

そんな紅莉栖の想いも受けてβ世界線へと帰還した岡部。
彼に植え付けられたのは更なるトラウマか、それとも……。

ファティマ

ファティマ