※サブタイトルについては、公式サイトでは「後『篇』」となっていたが、アニメ本編の表記を採用し、「後編」とした。
今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
ヤンの作戦とは、帝国将兵に変装したシェーンコップら数人でイゼルローンを占拠しようという大胆極まりないものだった。
しかし、シェーンコップはこの作戦を見事に実行し、ついにイゼルローンはほぼ犠牲を出さずに陥落することとなった。
だが、イゼルローン周辺にはおびき出した帝国駐留艦隊が未だ健在であり――。
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感想
シェーンコップの掘り下げ部分を丁寧に描いてくれたのは良かったものの、ヤン艦隊がイゼルローンに入港する件を全く描かなかったので、「大胆なカットだな」等と思ってしまった。
原作ではこの辺りを、はたしてどのような描き方をしていたか……流石に思い出せないが、初見の方は戸惑ったのではないだろうか?
司令官二人が絵に描いたような無能であり、ヤンの引き立て役として都合の良いキャスティングにも感じてしまうが……レムラー少佐のように、職務に忠実かつ冷静な人材もきちんと存在する。
つまりは、司令官まで昇りつめるような連中は、家柄が良いかもしくは政治力のある人物が多く、レムラーのように実務主義というか現実がきちんと見えている人間は出世しにくいシステムが蔓延っているのかもしれない。
それは同盟にも言えることなのだろうが。
一人の犠牲も出さずイゼルローンを陥落させたヤン。しかし彼の意図や理想とは裏腹に、結果として沢山の命が失われてしまった。
ヤン・ウェンリーの弱点はまさにこういった所にあると思うが……では、どうすれば正解だったのか? と考えても、やはり適切な答えは浮かばない。そういった皮肉のきいた部分こそが、本作の魅力のひとつなのだな、と再認識した。