今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
セルジュ達が時間を稼いだお陰で、テオ達はミルザーを圧倒する軍勢を集結させることに成功した。
流石のミルザーもその戦力差を前に、一角獣城へ退かざるを得なかった。
定石で言えば、ミルザーはこのまま籠城するのが有利。そのままマリーネ率いるヴァルトリンドの援軍を待つべきだが、ミルザーはそれを良しとしない。
テリウスも籠城を進言するが、ミルザーは決して首を縦には振らない。
ミルザーはこの圧倒的に不利な状況に、マリーネを巻き込むべきではないと考えていた。
今や、戦いの流れは完全にテオの側にある。
だがミルザーは、それでもテオにだけは負けぬと、彼に一騎討ちを仕掛ける為に全軍を率いて突撃を開始する――。
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感想
基本は脳筋ながらも、決して愚かではないミルザー。その生き様が表れているような、壮絶な最期だった。
最後に勝敗を決めるのは天運である、とシルーカは語ったが、それだけではないだろう。
テオが指摘したとおり、君主としての差が――常に自分の力だけで戦ってきたか、それとも兵士や民達と共に戦ってきたか――が、勝敗を分けた側面も強い。
少々意外だったのが、ミルザーが心底マリーネを盟主として認め敬っていたという点と、テリウスがミルザーを主として敬愛していた点。
最も目立つ部分がその人物の全てではない、という簡単だが忘れがちな事実を突きつけられるような、そんなエピソードでもあった。
作画面では、近年のA-1 Pictures作品によく見受けられる「線が極端に少なく、輪郭も崩れがちだがそれ以上にグリグリ動かす」という戦闘シーンが目立った印象。
ユーフォーテーブルのような一糸乱れぬ作画とは正反対の発想だが……これはこれで悪くない。
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