今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
「常勝の天才」ラインハルトの裏をかいたヤン・ウェンリー。特異な才能を持つ彼は、しかし生粋の軍人という訳ではなかった。
ヤンは交易商人の家に生まれ、その少年期を宇宙を駆ける商船の中で過ごした。
やがて父親が事故死すると、好きだった歴史を学ぶのに最も都合の良かった自由惑星同盟国防軍士官学校へ入学。戦史研究科の学生として、後の親友ジャンやその幼馴染で音楽学校生であるジェシカと出会い、穏やかな青春を送る。
しかし、戦術において優れた才能を見せたヤンは、学校の意向により本格的に軍人の道を歩むことを強いられてしまう。
学校を卒業し士官となったヤンは、そのまま前線へと送られてしまう。
そしてその赴任先である惑星エル・ファシルで、ヤンの人生の転機となる大事件が起こる。
後にヤンが「エル・ファシルの英雄」と呼ばれるきっかけとなった、その事件とは――。
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感想
やはり鈴村健一氏のヤン・ウェンリーは非常に素晴らしい。
歴代の演者へのリスペクトに溢れながらも、御本人の持ち味も消えていない絶妙の演技に感じられる。
優しげながらもヤンが持つ曲者感もよく出ていて、何とも幸せなキャスティングだ。
さて、前回のラインハルトに続き、今回はヤンの半生が描かれたが……ここまで対照的な二人の「天才」というのも珍しい。
生い立ちからして苛烈、野望に燃えるラインハルト。
穏やかな少年期を過ごし、人よりも少しだけ頭の回る普通の青年として過ごしたヤン。
この二人がライバルとなって、銀河で戦火を交えるのだから、運命というものは何とも皮肉だ。
今回描かれたように、ヤンの青春はジャンとジェシカと共にあった。
その事で……ジャンの無残な戦死と「ジェシカを頼む」という言葉の意味の重さが、その悲しみが引き立った。
ジェシカにほのかな想いを寄せていたであろうヤン。ジェシカも、ヤンに興味津々だったようで、ジャンとの間で揺れていた事は明白だろう。
そんな三人の関係を思うと……ヤンがどんな思いでアスターテ会戦を生き延びたのか――冷静に艦隊を指揮し、将兵を守った彼の複雑な内面がうかがえようというものだろう。
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